"入籍三日目に渡された「毎月30万」の振込先" 第6話
通話ボタンを押し、方に話を切った。
ツーツーという無質な切断音が響く。 部のは、再び静まり返った。
肩で息をしながら、スマートフォンをに置く。 は刻みに震えていたが、私のはどこまでも静かだった。
もう、戻るはない。 戻る必もない。
その、ピロンと軽な通音が鳴った。
画面を見ると、子のLINEアカウントから、枚の画像が送りつけられてきていた。 『よく見なさい! 輔はこんなに頑張ってるのよ! 族なら応援するのが筋でしょう!』という罵倒のメッセージとともに。
私は眉をひそめながら、その画像をタップしていた。
鮮やかな黄と黒の配で作られた、派なオープン告のチラシの画像だった。
『PRO AUTO GARAGE DAISUKE』 〜最峰のガラスコーティング&ルームクリーニング〜 埼玉県潮にてグランドオープン!
チラシの央には、腕組みをして得げに笑う、亮太によく似た顔ちの輔の写真。 そして、そのには導入材の紹介が誇らしげに並んでいた。
『ドイツ製最圧スチーム洗浄&プロ仕様ポリッシャー導入!』 『最の設備で、お客様のを蘇らせます!』
画像の部に、さく納品伝票の部が写り込んでいた。 械の型番、そして発送元の具メーカーのロゴ。
何気なく、その伝票の付に目を凝らした。
【納品:1014】 【材代:300,000円(振込済)】
広告
ので、カチリと音がした。
1014。
私が、居の準備として亮太に万円を振り込んだ、まさに翌だった。
「……これだ」
喉の奥から、乾いた笑いが漏れた。
実の活費? 親父さんの医療費? 費?
全部、真っ赤な嘘だった。
子が亮太に泣きつき、亮太が私を騙して奪い取ったあの万円は、輔の無謀なごっこのための、械代に消えていたのだ。
そして、昨夜突きつけられた『毎万円』。 そのうちの万とかれていた『自準備資』も、活費などではない。 客もつかない、経営計画もない、27歳の次男のガレージの維持費と賃を、男の嫁の料から毎補填し続けるための資源。
それが、あのきのの正体だった。
私はスマートフォンの画面をスクショし、クラウドのフォルダに即座にアップロードした。
チラシの画像。 納品の付。 額、300,000円。 そして、私の座から万が引き落とされ、そののうちに義母へ万が送されたの記録。
点と点が、本のたい線で完全に繋がった。
「結婚して……か」
私はちがり、がらんとした部の窓をけた。 の気が、気に部のへ流れ込んでくる。
彼らは、私が世体を恐れて泣き寝入りし、毎万円を差しし続ける従順なATMになると信じ切っている。 私が「嫁」というに縛られて、何も言いせないとを括っている。
広告
けれど、残だったわね。
私はバッグから、会社のIDカードと、法務部代にお世話になった弁護士の名刺を取りした。
宮本の皆さん。 あなたたちが踏み抜いたのは、都のいいお嫁さんじゃない。 円の使途も見逃さない、医療器メーカーの経理と法務を舐めないで。
戦いは、まだ始まったばかりだった。
カーテンのない窓から、の乾いた陽射しが容赦なく差し込んでいた。
段ボールも何もない、がらんとした蕨のワンルーム。 フローリングのに直接腰をろしていると、気がいスウェットを通して骨の髄まで染み込んでくるようだった。
元のスマートフォンが、規則に震え続けている。 画面には、夫と義母からの着信履歴が交互に並んでいた。
『着信:亮太(4)』 『着信:宮本子(7)』 『メッセージ:いい加減にしろ。親戚にられたらどうする気だ』 『メッセージ:母さんがどれだけ泣いてるか分かってんの?』
ため息すらない。 ただ、胃の奥が雑巾を限界まで絞られたように引き攣っていた。
玄関のチャイムが控えめに鳴った。 ちがり、ドアスコープを覗く。 そこにっていたのは、コンビニのビニール袋を提げた親友の真理だった。
「菜穂、鍵けて。温かいお茶買ってきた」
ドアをけると、真理は番、部の惨状と私の顔を見比べて眉をひそめた。
「……ひどい顔。とりあえずこれみな」
差しされたホットのほうじ茶のペットボトルを受け取る。