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"車椅子の看板娘と一億円の代償" 第13話

「……俺も、元気だった頃の蒼井ちゃんには、昔、何度かで会ったことがあるんですよ」

疾の静かな独に、俺は煙を皿に押し当て、を傾けた。

「学の頃から陸部で、真っ黒に焼けして、いつもニコニコ笑っている、本当にるくて元気な女の子でしたよね。『疾のお兄ちゃん、速くなるコツ教えて!』なんて無邪気に絡んできて……。あんだけることが好きだった子が、れないどころか、自分ので歩くことすら怖くなって、引きこもってしまっている現状……本当に、酷すぎて許せないですよ」

「……ああ」

「しかも、あの子を傷つけた張本は、反省も悔もすることなく、あんな勝な最期を迎えやがった。……若があのような苦渋に満ちた表をされるのも、無理はありません」

俺は溜息をつき、夜空のを見げた。

「本当……おにはのを全部見透かされているようで、怖いよ」

俺が自嘲気に呟くと、疾はいつもの穏やかで優しい笑みを浮かべた。そして、ふっと息を吐いてちがり、俺の正面に回ってく礼した。

「丈夫です。は、必ず神宮蓮を懲らしめましょう。……俺やの者たちを、若のう分、好きに使ってください。俺たち王会の組員は皆、若には全幅の信頼を置いていますから」

疾は顔をげ、淀みのない澄んだ瞳で俺を見据えた。

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「若は、どこまでも真っ直ぐで、優しい。……俺たちは皆、そんなあなたが好きなんですから」

そう言い残し、疾は静かに礼してっていった。

ざかるその背が見えなくなるまで見送りながら、俺はわず、元からさく笑みをこぼしていた。

背負っているもののさに潰されそうになっていたが、部の温かな忠誠によって、力く持ち直していくのをじていた。

そして翌――。

れの空の、俺たちは黒龍会の本事務所のに集結していた。

の喧騒かられた幹線沿いに構えられた黒龍会の本拠は、周囲をいコンクリート塀とな鉄の扉で囲まれた、塞のような佇まいを見せていた。部からの直の報によれば、神宮蓮は今、確実にこの建物のにいるという。

黒塗りの列からりった王会の組員たちは、全員が黒のスーツにを包み、その表には切の油断も迷いもなかった。

俺は列した部たちのにち、く、しかし全員の腹に響く声で言葉を投げかけた。

「いいか、おら。よく聞け。……絶対に、自分の命を粗末にするな」

組員たちの線が、斉に俺へと注がれる。

「勝にあの世にくこと、そして無駄にあの世へ送られることは、この俺が絶対に許さん。しでも危険だとったら、躊躇わずに引け。

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誰もそのことを責めたりはしない」

俺は拳を握り締め、ひとりの顔を焼き付けるように見据えた。

「自分の命が第だ。もし、俺たちの仲のうち誰かでも命を落としたら……この任務は、完全な失敗とみなすからな。いいな!」

「はいッ!!」

部たち全員が、腹の底から声を揃えて応じた。響きのような気迫が、周囲の空気を震わせる。

疾が歩にみて、俺の訓示に補を加えるように部たちを見回した。

「今回の目は、自ら命を絶った獅原淘汰に代わり、全ての元凶である神宮蓮を捕らえ、法と理に基づいた責任を取らせることだ。違っても、事を聞きすに叩き潰すなよ。いいな!」

「はいッ!!」

再び、統率の取れた号が返ってくる。

俺と疾は顔を見わせ、無言のまま力く頷きった。

「さあ……くぞ!」

俺の図とともに、屈な部数名が型の解体用斧を構え、黒龍会のな扉へと躍りた。

ドガァンッ! バキバキッ!

凄まじい衝撃音が連続して響き渡る。頑丈に見えた扉も、鍛えげられた極の膂力と量級の斧のには案脆く、蝶番がへし折れ、あっというに無残な鉄屑となって内側へと崩落した。

「よし、斉に突入だァッ!」

俺の号令がぶと同に、王会の精鋭たちが崩を打って敷内へと崩れ込んだ。

を突破して広な庭へとび込むと、そこにはすでに、異変を察して凶器をにした勢の黒龍会組員たちが待ち構えていた。

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