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"「バカ息子」と笑う義父母、旅行中に息子夫婦が消えた" 第2話

呪縛のと侵略の始まり

「引っ越そう」

その言を聞いた瞬、私の目からいものが溢れそうになった。

琢磨が自分の両親を「あいつら」と呼んだのを、私はの結婚活ので度たりとも聞いたことがなかった。どれほど理尽な暴言を浴びせられても、「育ててもらった恩があるから」「俺が来が悪いから親父たちをらせるんだ」と自分を責め続けてきた夫が、初めて自らの志でその呪縛を断ち切ろうとしていた。

私は無言で、力く頷いた。

えば、私たちの穏やかな活が完全に破壊されたのは、わずかヶのことだった。

の血のにじむような節約活と、互いの残業代をコツコツと積みてた努力の末に、私たちは願のマイホームをに入れた。は、私のき祖父が遺してくれた郊の宅。当たりがよく、将来まれてくる子供のために広い庭を確保し、階には向きのるい子供部をつ設計した。建築費用も、運送業を営む私の父のである務が親になって相談に乗ってくれ、予算内で理通りの頑丈で美しいのが完成したのだ。

「やっと、私たちのができたね」

引き渡しのの夜、まだ具の搬入されていないガランとしたリビングで、琢磨とでを繋ぎ、涙を浮かべてびった。

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これからこの所で、誰にも邪魔されず、温かい庭を築いていくはずだった。

しかし、その幸福は、入居からわずか週で無残に踏みにじられた。

居で初めて迎えた曜の午、突如として鳴り響いたインターホン。ドアをけた私のにっていたのは、巨なスーツケースを両に提げた義父母と、そのろに控える引っ越し業者のトラックだった。

『荷物は階の側の部に全部運び込んでちょうだい!』

義母は私の制止など切に入らぬとばかりに同然でがり込み、業者に指示をばした。私たちが未来の子供のために、壁のまでこだわって準備していた階の等が、瞬くに義父母の古びたタンスや段ボール箱で埋め尽くされていったのだ。

『父さん、これ、どういうことだよ……!』

青ざめた琢磨が必に抗議した、義父は傲にを鳴らして吐き捨てた。

『どういうことも何もあるか。今までんでた賃貸マンションは解約してきた。今からここで暮らす。卒でもない来損ないの息子が広いにむなんて気だ。俺たちがんでやって、として管理してやるのが親の慈ってもんだろ』

事の言の相談もなく、は賃を浮かせ、息子の居に居座る計画を実に移したのだ。

それ以のアパート暮らしの代から、義父母の侵は凄まじかった。

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週にももアパートへ勝にがり込み、蔵庫の材を勝に持ち帰り、いただき物の級菓子を鞄に詰めて帰る。そのたびに琢磨を「世が遅い」「学歴がない」となじり、私が正社員として働き続けることに対しても嫌を言われ続けた。

特に忘れられないのは、結婚してもない頃のことだ。私が担当する部署で隣町の力企業との型契約を取り付けた際、琢磨が珍しく勇気をして『はる子は仕事をすごく頑張っているんだ』と誇らしげに義母に報告したことがあった。

その、義母は先でせせら笑い、酷に言い放ったのだ。

『ああ、あの会社の社なら私の昔のりいよ。嫁をよろしくって私が裏からを利いてあげたのよ。じゃなきゃ、あなたみたいなどんくさい女にの契約なんて取れるわけないじゃない。私のおかげなのよ。本当にあなたたちは、いつまでも私たちに頼らなきゃ何もできない来損ないね』

何の根拠もないまかせだった。しかし、取引先の社と義母の繋がりを会社に確認するわけにもいかず、もし事実なら角がつ。その嘘を盾に取られ、私はそれ以、何かにつけて『私の利きのおかげで働けている』と脅され、反論のを封じられてきたのだ。

このは、私たちののなどではなかった。

義父母が息子夫婦を無の召使いとしてこき使い、優越に浸るための、私設の老ホームに成り果てていたのだ。

玄関先でち尽くす私たちの背で、夕暮れのたい隙がピューと鳴った。

「はる子、もうしなくていい。俺たちがここにいる理由は、何つない」

琢磨の拳はくなるほどく握りしめられていた。その瞳の奥には、眠っていた男の静かなりの炎が、確かに灯っていた。

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