"生け垣を伐った4日後、隣人が青ざめた理由" 第7話
波測量器と赤の撃
翌週の曜、午。 抜けるようなれの、がの庭に脚がてられ、最型の波測量器(トータルステーション)が据え付けられた。 やってきたのは、佐々親方の紹介によるベテラン調査士の松永(代)と、その助だった。 松永調査士は、法務局から取り寄せてきた『公図(字限図)』『積測量図』、そしての建築確認申請の控えをバインダーに挟み、厳しい表で敷周辺の基準点をつずつ確認していった。
ピピッ、ピピピッ。 子音が静かな宅に鳴り響く。 プリズムを構えた助が境界標のにち、望レンズを覗き込む松永調査士が数値を端末に打ち込んでいく。 作業がむにつれ、所の民たちが「何事かしら」「け垣を切ったばかりなのに、今度は測量?」と、巻きに集まり始めていた。
、すべての測量を終えた松永調査士が、図面のに赤い性ペンで太い直線を本引いた。 そして、私と、庭の隅で見守っていた佐々親方を呼んだ。
「佐野さん。結果がました」 松永調査士は、図面を平らな板のに広げて見せた。 「結論から申しげます。昭に確定された本境界線に対し、隣接する邸のサンルームは、最で横幅センチ、奥き・メートルにわたり、貴殿の敷内へ越境しています。
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越境面積にして、約・平米(約・坪)です」
「やはり……そうでしたか」 「ええ。これはらかな【民法第百条(境界線付の建築の制限)】違反であり、何より【所権の侵害】に該当します。建築基準法のセットバック以の問題として、ののに無断で構造物を建てている状態です」
松永調査士の声は、静かだが容赦のないみを持っていた。 「佐野さん、これはどう見ても、増築に建築確認申請をしていませんね」 「えっ? 申請をしていない?」
「建築基準法第条では、面積が平米を超える増築や、防・準防域内での増築には、必ず役所へ建築確認申請を提しなければなりません。もし正規の申請をしていれば、公図と敷配置図の照の段階で、境界線を越境していることなど発で見します。申請をさず、無資格の悪質なリフォーム業者に丸投げして価に建てさせたか……あるいは、越境を認識しながら図に隠蔽したかのどちらかです」
集まっていた所の々から、「まあ……!」「無届けの違法建築ですって!?」「あんなに自していたのに……」と、どよめきと囁き声が波のように広がっていった。
そのだった。 通りに台の軽自がまり、から腕章を巻いたの男性がりてきた。 胸には、先週がにやってきたのと同じ、の職員章。
保全係の職員が、け垣の伐採が完したかどうかの「正完確認」に訪れたのだ。
「佐野さん、こんにちは。け垣の撤状況を確認に……おや?」 職員は、綺麗サッパリと更になったがの境界線を見て満げに頷いたが、次の瞬、その線が、丸裸になってした邸のサンルームの基礎部分でピタリと止まった。