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"離婚1時間でカード5枚停止、義母の豪邸宴会が一変" 第19話

を空ける

婚からかが過ぎた頃、邸宅の渡しがようやく決まった。達也とは、代理を通じて退と荷物の搬方法にした。麗は宴会の翌週にはをれており、との連絡もほとんど取っていないという。私は誰がどこへ引っ越すのか尋ねなかった。もう、彼らの暮らしを管理する必はない。

引っ越し当、私は管理会社の担当者と緒にを訪れた。広い玄関には段ボール箱が積まれ、かつて私が毎朝を飾っていた棚は空になっていた。は疲れた顔で子に座り、達也は黙って荷物を運んでいた。とも私を見たが、何も言わなかった。私はその沈黙を、ようやく終わりにづいた証拠のようにじた。

管理会社の担当者が財の覧を読みげ、残された具と持ちす荷物を確認した。私が購入した物については領収があり、個の持ち物については双方がち会って区別した。は度だけ「この子は達也が買った」と言ったが、購入記録を見て黙った。以ならそこで言い争いになっていただろう。今は枚が、余計なりを減らしてくれた。

庭に面した廊には、私が選んだ製のベンチが残っていた。かつて達也はそこで靴を磨き、私は隣で聞を読んだ。何も話さずに過ごした曜の朝をいすと、胸の奥がしだけ温かくなった。

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私はベンチに触れ、持ちさずに残すことにした。いの品をすべて抱えていかなくても、過が消えるわけではない。

最に、私は寝の引きしをけた。父の箱はそこに戻されていたが、蓋の留めが壊れていた。の万と写真は無事だった。私はそっと写真を取りした。若い父と母が、庭先で並んで笑っている。億円のより、この枚が残っていてよかったとからった。

が背にち、「その箱、古いから捨てた方がいいとったの」と言った。私は振り返り、「私には切なものです」と答えた。彼女は何か言いかけたが、結局黙って部をていった。の価値観を変えることはできない。けれど、自分の切なものを切だと言うことなら、これからはいくらでもできる。

達也が荷物を運び終え、玄関でち止まった。「美緒、最につだけ聞いていいか」。私はうなずいた。「俺と結婚して、しでも幸せだったことはあるか」。私はすぐには答えられなかった。のの喫茶、で作った格好なカレー、仕事で疲れて帰った彼が珍しく皿を洗ってくれた夜。嘘ではなかったも確かにあった。

「ありました」と私は言った。「だから、ここまでく緒にいたんだといます」。達也は目を伏せた。私は続けた。「でも、幸せだったがあるからといって、そののことまで許さなくてはいけないわけじゃない」

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。彼は何も言わず、さくをげた。それが私たちの最の会話になった。

がったあと、私はで広にった。宴会の夜に汚された絨毯は取り替えられ、壊れた具も修理されている。けれど、このでまた誰かと暮らしたいとはえなかった。窓から見える庭は美しかったが、私には広すぎた。が悪いのではない。ここに自分の居所を作ろうとして、私は自分自を見失っていたのだ。

私は管理会社に、をすぐに売らず、今の利用方法を検討するよう伝えた。会社の資産である以、私のだけで決めることはできない。役員たちと相談し、維持費や価値を踏まえて、最も理な方法を選ぶつもりだった。億円という数字はきいが、それは誰かを幸せにする保証にはならない。

帰り際、私は玄関の鍵を度だけ振り返った。、初めてこのに入ったは、族が増える未来を信じていた。今は、誰かに認めてもらうためにむではなく、自分が落ち着いて帰れる所を探したい。私は箱を抱え、のドアを閉めた。もうろのから、私を呼び戻す声は聞こえなかった。

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