"離婚1時間でカード5枚停止、義母の豪邸宴会が一変" 第7話
けられた箱
箱には、父が若い頃に使っていた万と、母が遺したさな写真が入っていた。銭な価値はきくないが、私にとっては邸宅のどんな具より切なものだった。は以から「古臭い物は処分して」と言っていたので、勝にけられたと分かっただけで胸がえた。私は管理会社に連絡し、財の現状を記録するためのち会いを求めた。
川はすぐに止めた。「今はまだ、達也さんたちに居の権限が残っています。本の同なく内へ入ることは避けましょう。写真と過の購入記録を保し、物がなくなったに備えてください」。私は反論しかけたが、言葉をみ込んだ。自分のだという気持ちと、今できることは別なのだ。
私は箱の写真を印刷し、以撮った寝の写真と並べた。蓋の留めの位置が違い、引きしに入れていたはずの布袋も見当たらない。管理会社には財の購入記録を送ってもらい、紛失が確認されたに備えて覧を作った。さな物のためにそこまでするのかと自分でもったが、私にとっては失くしたくない記憶を守る作業だった。
千から再び話があったのは、その直だった。「お義姉さん、母さんがあなたの引きしをけた、私もいたの」。私は子に座り直した。
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千は病院へくための分証を探すのだと聞かされ、のそばにっていたという。ところがは保険証を取りしたあと、類を何枚も携帯話で撮していた。
「私、変だとった。でも母さんが『族なんだから構わない』って。止めなかった私も悪い。本当にごめんなさい」
千は泣いていた。私はすぐには許すとも責めるとも言えなかった。ただ、そのに撮った写真が残っていないか尋ねた。千は、が自分宛てに送った画像を消していないという。私はそれを加せず保し、川に渡すよう頼んだ。千が自分のを説することと、証拠をすことは別の問題ではない。
「もうつあります」と千は言った。「兄さん、今の宴会で親戚におを貸してほしいって頼むつもりなの。母さんが言ってた。『の権利を見せれば、みんな信用する』って」
私は窓のを見た。が親戚をも集めた理由が、し分かった。単なる自ではない。しい持ち主になったと印象づけ、を担保にした融資が決まるまでのつなぎ資を集めるつもりなのだ。達也たちが夕方までに現を必としているのなら、宴会そのものが資集めの台になる。
私は宮崎に連絡し、会内でホテルのスタッフが融取引の仲介をしないよう伝えた。
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親戚が自分ので貸し借りをするなら私には止められないが、ホテルの信用を使って保証するような為は認められない。宮崎は「宴会の契約とは無関係な勧誘があれば、従業員に関与させません」と答えた。
その夜の財のことも気になった。父の箱を取り返すため、今すぐに乗り込むこともできる。だが、達也がこちらのきをれば、類や記録を処分するかもしれない。私は写真を保し、のにある防犯カメラの映像だけを管理会社に保全させた。内で誰が何を話したかを、勝に盗み聞きすることはしなかった。
午半、千から画像が届いた。が撮した私の分証と、会社の類が並んでいる。そのに枚だけ、らかに違いな写真があった。神堂アセットの社印が押された委任状の写しで、私はそれを見たことがなかった。が盗み撮りしたのは分証だけではなく、誰かが用した偽の類までだった。