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"離婚しても、うちの嫁を辞めていいとは言ってない" 第17話

私はレジへ向かい、自分の頼んだアイスティーの代、百円だけをトレーに置いた。 員に「ごちそうさまでした」と告げ、自ドアを押しける。

背から、枝の甲い泣き声と、誠司のけない鳴り声が微かに漏れ聞こえてきたが、自ドアが閉まると同に、その音は曜の午の喧騒のに完全に掻き消された。

空を見げた。 ひとつない、抜けるような青空だった。 たいが頬を撫でたが、ちっとも寒くはなかった。

私のは、驚くほど軽かった。

翌週の曜の午。 区役所の別館にある『域包括支援センター』の相談窓。

のパーテーションで区切られたブースのいパイプ子に、誠司と理恵が並んで座っていた。 のには、い氷のような戦の空気が漂っている。

机のには、相談員から渡された何枚もの類が広げられていた。 『介護認定申請』『主治医見予備問診票』『世帯所得・資産状況申告』。

「……では、松本枝様の退院の支援計画についてですが」

向かいに座る女性の主任ケアマネジャーが、老鏡の奥から静な線をに向けていた。 元のバインダーには、事に真由美が窓に残していったという、枝の過の詳細な病歴と薬記録のコピーが挟まれている。

「任の……あらかじめご相談に来られていた元ご族の方からの資料を拝見しました。

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非常に正確かつ詳細にまとめられておりますので、認定調査自体はスムーズにむかといます。ただ、問題は退院の受け入れ態勢です」

ケアマネジャーは淡々と、しかし容赦のない現実を告げた。

「息子様はお仕事がフルタイム、娘様も庭の事でおでの通介護は困難とのことですね。となると、退院直は週に回の通所リハビリテーション、いわゆるデイケアの利用。それに加えて、週に回の訪問介護を組みわせるのが現実かといます」

誠司が恐る恐るをいた。

「あの……それって、費用はどれくらいかかるんでしょうか」

ケアマネジャーは卓を叩き、枚の見積もりシートを提示した。

「お母様の収入と世帯分の状況にもよりますが、介護保険の自己負担分が割として、デイケアの利用料、昼代、リハビリ加算、訪問介護の基本料。それから、今回の骨折に伴い、ご自宅の廊とお呂、トイレにすりを設置する宅改修が必になります。改修費の保険適用限を除いた自己負担、さらに歩器のレンタル料を含めますと……」

ペン先が、見積もりの番の数字をトントンと指した。

「毎、およそ万千円から万千円程度。初期の宅改修とベッドの導入で、として約万円ほどのしが必になります」

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「よ、万千円……!?」

理恵が鳴にい声をげた。

「毎そんなに払うんですか!? すぎます! 国の保険なんだから、もっとくならないんですか!?」

「制度の正規の計算です」

ケアマネジャーの声は、どこまでも公事公弁で、の揺らぎがなかった。

「これでも、ご族が同居されてある程度の見守りをされる提の最限のプランです。もし、病院への通院同をすべて民の介護タクシーや自費ヘルパーに頼るとなると、これに加えて回あたり千円から千円の実費が乗せされます」

誠司と理恵の顔が、同に引きつった。

毎数万円の固定費。 それに加えて、デイサービスの送りしのために、毎朝誰かが実にち寄らなければならない。 リハビリのないは、誰かが事の用を見にかなければならない。 病院の定期受診のには、を取るか、自費を払って付き添いを配しなければならない。

「……お兄ちゃん、これ、半分払ってよね」

理恵がく、濁った声で誠司を睨みつけた。

「はあ!? なんで俺が半分なんだよ! おだって娘だろうが!」

「私は専業主婦なのよ! 自分の自由にできるおなんてないわよ! お兄ちゃんが実のを継ぐんだから、お兄ちゃんがめに払うのが当然でしょ!」

「俺だって料削られてんだよ! これ以払えるわけねえだろ!」

パーテーションで区切られた狭い相談ブースに、醜い兄妹の罵りいが響き渡る。

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