"離婚しても、うちの嫁を辞めていいとは言ってない" 第7話
『20231115 科 圧:18、16。点薬キサラタンの残量確認。 ※義母は目薬をさすのがでこぼすため、しめに処方してもらうよう医師に相談した』
分。 百、毎の通院記録、毎の朝晩の血圧グラフ、体の増減、医師の些細な発言、薬局での注点、果てはをめるべき駐の位置や、子を借りる際の続きの順まで。
インデックスで分けされ、すべての領収と検査結果のが、付順に美しくファイリングされていた。
パラパラとページをめくる誠司の指が、刻みに震え始めた。
「……なんだよ、これ」
喉の奥が、ぎゅっと締め付けられるように痛かった。
たかが半? に乗せて連れてくだけ?
違う。 そんなものじゃなかった。
真由美は、このの膨な記録をで背負い、母の病状をすべてに叩き込み、医師と対等に渡りい、最で母の体に負担がかからないルートを計算し尽くしたで、あの病院通いをこなしていたのだ。
フルタイムにいパートで働き、毎の分の事を作り、掃除と洗濯をこなしながら、この狂気のような管理をたったで続けていた。
誰からも謝されることなく。 それどころか、「たかがパート」「子供もいないんだから暇だろ」「気な顔をするな」と、自分と母親から嘲笑され続けながら。
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ページの番最。 クリアポケットのに、枚のいメモ用が挟まれていた。 真由美の、し丸みのある文字だった。
『誠司さんへ。 お義母さんの病気は、命に直結するものが複数あります。 私がこれ以関わることは法律できませんが、投薬のミスや受診漏れがあると変危険です。 どうか、このノートを読んで、今は理恵さんと協力して管理してあげてください。 、ありがとうございました』
誠司は息を呑んだ。
責める言葉は、つもかれていなかった。 み言も、りも、嫌すらも。 ただ、自分が放置してきた現実のさだけが、圧倒な質量を持ってそこに横たわっていた。
震えるでスマホを取りした。 着信拒否されているかもしれない。繋がらないかもしれない。 それでも、誠司は狂ったように真由美の番号をタップした。
コール音が鳴る。 ツーツーと無質な音がの奥で響く。
頼む、てくれ。 頼むから、嘘だと言ってくれ。
回、回。 諦めかけたその瞬、ふっと通話が繋がった。
『……もしもし』
スピーカーの向こうから、静かな、あまりにも穏やかな真由美の声が聞こえてきた。 実の暗いリビングに、その声だけが澄み渡るように響いた。
誠司の喉から、掠れた、けない呻き声が漏れした。
「お……真由美、おさ……」
言葉がうまく繋がらない。
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のがカラカラに乾き、臓が肋骨を突き破りそうなほど激しく脈打っていた。
「お、毎……毎、こんなことやってたのかよ……? なんで……なんで今まで、言も言わなかったんだよ……!」
「……言いましたよ」
に当てたスマホに向かって、私は静かに返した。 鳴るでもなく、嘲笑うでもない。 ただ、え切った事実だけを喉の奥から絞りすように。
「何度も言いました。、毎のように言っていましたよ。『今は循環器の待ちがくて腰が痛む』『朝番の駐取りが変だから、たまには代わってほしい』『薬の種類が増えて管理が追いつかないから、緒に説を聞いてほしい』って」
通話の向こう側で、元夫の息を呑む音がさく響いた。
「でも、あので返ってくる言葉は、いつも決まって同じでした」
私は畳のたい壁に背を預けた。 かつてあの古い軒のリビングで浴びせられた言葉の数々が、たいのように脳裏をかすめていく。
『げさに騒ぐなよ。たかが病院の送り迎えだろ』 『おは領が悪いんだよ。俺の母さんのことなんだから、もっと笑顔でやれないのか』 『子供がいなくて暇なんだから、それくらいやって当然だろ』
「聞こえていなかったんじゃありません。あなたもお義母さんも、最初から聞くを持たなかっただけです。
私の声なんて、換気扇の音やテレビの雑音と同じだったんでしょう」
『真由美、頼むから……そんな言い方するなよ。俺が悪かったよ。