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"離婚しても、うちの嫁を辞めていいとは言ってない" 第6話

「事はじませんがね。齢者の通院に付き添うなら、最限、患者の薬状況と体調のバイタルくらいは把握してから来てください。何かあってからでは遅いんですよ。今は採血のデータだけで判断しますから、薬は同じものをしておきます。次回は必ず帳を持ってきてください」

淡々とした、しかし無を言わさぬ叱責だった。 護師たちがカルテを操作しながら、無言のたい目を誠司に向けている。

「……申し訳、ありませんでした」

歳にもなって、見ずらずの医師に子供のように説教される屈辱。 誠司の額から、じっとりと脂汗が噴きしていた。

診察をたも、獄は終わらなかった。 会計の計算を待つこと分。 病院のにある調剤薬局へ移し、処方箋をしてから薬を受け取るまでに、さらに分。

枝が受け取った薬の自己負担分、千百円を支払う段になって、枝は「持ちの現がないから、誠司て替えておいて」と平然と言い放った。

病院をて、に乗り込んだには、すでに午を回っていた。

半休どころの騒ぎではなかった。 誠司は内でネクタイを乱暴に緩め、すでに午の業務が始まっている会社へ「体調良の母親の対応が引いたため、全休に切り替えます」と、屈辱に塗れたメールを送信した。

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「ああ、くたびれた。病院って本当に疲れるわねえ」

部座席でシートを倒し、枝があくびを噛み殺しながら呟く。

「真由美さんがいたは、こんなに待たされた記憶がないんだけどねえ。やっぱりあの、何か裏でを回してたんじゃないかしら」

「……黙ってろよ」

誠司はハンドルに突っ伏したまま、く唸った。 りと疲労で、界がかすんでいた。

たかが半。 で送り迎えするだけ。 そうっていた病院の付き添いが、まさかこれほどまでに気力と体力を削り取り、己の尊厳をズタズタにするものだったとは、像すらしていなかった。

午。 疲れ果てて夕方に眠り込んだ枝を残し、誠司は真っ暗なリビングのソファに倒れ込んでいた。

夕飯を作る気力など湧かず、コンビニのたい弁当を胃に流し込んだだけだった。 シンクには、朝使ったコーヒーカップと、昼に枝がんだ湯呑みがそのまま放置されている。 部の隅には埃が溜まり、廊からはどことなく饐えたような活臭が漂っていた。

いつもなら、このには洗濯物が綺麗に畳まれ、呂には湯が張られ、着ていくワイシャツには糊の効いたアイロンがかけられていた。 それらすべてが、跡形もなく消えっていた。

ふと、誠司の線が玄関の靴箱のに向いた。

暗い廊の先。

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昨、真由美が話で言っていたものが、そこに置かれていた。

鮮やかな青いプラスチックのファイル。

誠司はい取りで玄関へ向かい、そのファイルを持ちげた。 ずしりと、予以のみが両に伝わってきた。

リビングのかりので、背表を見る。 テプラのいテープに、几帳面でった真由美の文字でこう印字されていた。

『松本枝様 通院・薬・健康管理記録』

表をめくった。

ページ目には、枝の基礎報がびっしりとき込まれていた。 かかりつけ医の覧、診察券番号、保険証番号、緊急連絡先。 既往歴の欄には、に患った肺炎の期や、ペニシリン系抗物質に対するアレルギー反応の無まで、赤ペンで注きが添えられている。

ページをめくる。

ページ目から先は、狂気すらじるほどの記録のだった。

『2021414 病院・循環器内科 主訴:階段昇の悸。 処方変更:メインテート錠2.5mg追加。朝。 医師指示:急な起のふらつきに注。徐脈傾向あり。 メモ:次回は採血あり。朝抜きで来院のこと。第駐は810分を過ぎると満になるため、745分着を目指す。玄関のスロープで義母をろしてから駐するとの負担がない』

『202298 形科 膝ヒアルロン酸注射(4回目)。 次回予約は3週。薬局の受付は川さんという薬剤師さんが番説が丁寧。

ジェネリックへの変更は義母が嫌がるため先発品希望を伝えること』

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