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"小一の息子の問い「ママ、僕を捨てたの?」" 第18話

夫が学に呼びされたと聞きつけ、血相を変えてタクシーで駆けつけてきたのだ。

「亮介! あなた、こんなところで何をやってるの! 真紀さん、あなた学にまで乗り込んで、亮介の邪魔をする気!?」

義母の圧な声が、静かな部に突き刺さる。 で泣きじゃくる悠真の姿を見て、義母は眉を吊りげた。

「まあ、悠真を泣かせて! 病みがりのくせに子供を連れ回すからこうなるのよ。亮介、さっさとこの女を追いしなさい! 世体が――」

「そこまでにしてください」

遮ったのは、担任の吉岡先だった。 ちがった先の表には、氷のような厳格さがあった。

「ここは学の教育相談です。保護者以の部者が、許なくち入る所ではありません」

「部者ですって!? 私はこの子の祖母ですよ!?」

「祖母であろうと関係ありません」

先は毅然と歩にた。

「今、この部でわれているのは、児童の刻な精神危に対する面談です。これ以、児童を威圧し、面談を妨害されるのであれば、学を呼び、警察に通報して退を求めます」

警察、という単語に、義母の顔からさっと血の気が引いた。

「な、何言ってるのよ、失礼な……! 亮介、何か言いなさい!」

義母は息子に縋り付こうとを伸ばした。 けれど、パイプ子に座ったままの夫は、母親のを払いのけるようにして、力なく首を振った。

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「……母さん、もうやめてくれ」

掠れた、消え入りそうな声だった。

「亮介……?」

「俺が……違ってたんだよ」

夫は両を膝のに落とし、に散らばった息子の涙の跡を見つめていた。

「俺が、あいつを壊しかけてたんだ。……母さんも、もうをさないでくれ。頼むから」

義母は、息子の信じられない姿に言葉を失い、をパクパクとかした。 その背から、廊で待していた私の姉の耶が、静かにを踏み入れてきた。

「お義母さん」

姉の声は、く、え切っていた。

「真紀の退院のとき、話で『邪魔をするな』って言いましたよね。あの通話、全部録音してありますから」

義母の目が、恐怖で見かれた。

「もしこれ以、真紀の活圏や悠真の通学に現れて嫌がらせを続けるなら、弁護士を通じて接禁止命令の申してをいます。親族であっても、モラルハラスメントと児童虐待への教唆は成しますよ」

法な現実を突きつけられ、義母はよろよろとずさりした。 勝ち誇っていたあの話の勢いは、微も残っていなかった。

「……勝にしなさいよ! もうらないわ!」

捨て台を吐き捨て、義母はヒールの音を響かせて廊の向こうへと逃げっていった。

相談に、再び静寂が戻った。

泣き疲れた悠真は、私の膝ので、さくをすすりながら呼吸をえていた。 そのさなを、私は両でしっかりと握りしめていた。

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それから週。

さいたま内の公証役のブースで、私と夫は向かいって座っていた。

テーブルのには、何通かの公類。 作成されたのは、『別居および監護分担に関する公正証』だった。

学でのあの、夫は崩れ落ちた、私に縋り付いてきた。 『悪かった。全部俺が悪かったから、元通りやり直そう』 『で、みたいに暮らそう』と。

けれど、私は首を横に振った。

度壊れた信頼は、「ごめんなさい」の言で元の形に戻るわけがない。 夫の歪んだ支配欲も、私がかつて事をで抱え込みすぎていた構造も、ただ緒に暮らすだけでは再発するに決まっていた。 何より、悠真ののリハビリには、全で、絶対に脅かされない距が必だった。

「……本当に、これでいいんだな」

夫が、ペンを握るを微かに震わせながら呟いた。

「ええ」

私は静かに答えた。

取り決めた内容は、極めて現実なものだった。

、当面のは別居を継続し、婚姻費用および養育にかかる実費は双方の収入に応じて適正に分担すること。 、悠真の活拠点は通学の利便性を考慮して自宅マンションとするが、平のうち週(・・)のの監護および夕の提供は母親(真紀)が担当すること。 、学の期休暇や週末の面会交流は、児童本の希望を最優先とし、父親による方な制限を禁じること。

、放課は民の額な詰め込み教育を解約し、学内の公学童保育(放課児童クラブ)を利用して、特定の親への負担集を防ぐこと。

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