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"小一の息子の問い「ママ、僕を捨てたの?」" 第9話

学の準備も、のの夜に全部やって、鉛も本ぜんぶ削ってあるよ」

何を言っているのか、すぐには理解できなかった。 あの子は、泣きながら、必に自分の「柄」を私に捲してている。

「宿題も、帰ってきたらすぐやるよ。お呂も、で洗えるよ。シャンプーが目に入っても、もう泣かないよ。……だからね」

悠真は顔をげた。 涙とでぐしゃぐしゃになった顔。 その瞳には、子供とはえないほどの、絶望な祈りが込められていた。

「だから……もう、ママは疲れなくていいんだよ」

を、鈍器で殴られたような衝撃だった。

「……何、言ってるの?」

「パパが……言ってたもん」

悠真のさな胸が、しゃくりあげるたびにきくする。

「ママがお腹痛くなったのは、悠真のせいだって。悠真が朝起きないで、着替えもしないで、わがままばっかり言ってママを疲れさせたから、ママはお腹を切ることになったんだって」

の奥で、キーンというい属音が鳴り響いた。

「悠真が赤ちゃんのときから、ずっとママを疲れさせてたから、ママは病気になったんだって……。だから、悠真がもっとしっかりして、でなんでもできるようにならないと、ママは戻ってこないよって……パパが言ったの」

息が、吸えなかった。

肺のの空気が、すべて凍りついてしまったようだった。

嘘だ。 嘘だと言って。

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夫は、あの子にそんなことを言ったの? 母親の病気の原因を、歳の息子のわがままのせいにしたの?

『おがママを疲れさせたからだ』 『おのせいで、ママはお腹を切ったんだ』

像しただけで、目のが真っ暗になった。 私が無菌でにうなされ、抗がん剤に耐えていたあの半。 この子は、暗い夜の子供部で、どれほどの罪悪に押し潰されそうになっていたのだろう。 どれほどの恐怖ので、ボタンを留め、でを洗い、泣くのをしていたのだろう。

「……ママ」

悠真の震えるが、私の首に伸びてきた。

「ぼく、もっといい子にする。おもちゃも、もう買わなくていい。卵焼きも、する。パパの言うこと、ぜんぶ聞くから……」

あの子は、私の目を見つめながら、ぽろぽろと涙をこぼした。

「だから……悠真を、もう回、好きになって? おうちに、帰ってきて……?」

「悠真――!」

私はできずに、あの子のさな体を抱きしめた。 フードコートの真んで、周囲の線なんてどうでもよかった。 骨が折れそうなほどく、その細い背を抱きしめた。

「違うの! 違うのよ、悠真! あなたのせいじゃない! 絶対に、あなたのせいじゃないの!」

私の涙が、悠真の黄い子を濡らしていく。

「ママの病気はね、悠真がわがまま言ったからじゃないの。ママの体の問題なの。悠真は悪くないの。つも、何つ悪くないのよ!」

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「でも……パパが……」

「パパが違ってるの!」

私が叫んだ、その瞬だった。

い力で、私の肩がろへと引き剥がされた。

「――何の騒ぎだ」

氷のようにたい、夫の声だった。

引き剥がされた反で、私は子の背もたれに体を打ち付けた。 傷に激痛がり、脂汗が滲む。

「亮介……!」

見げると、夫がりで顔を歪ませてっていた。 周囲の客が、何事かとこちらを盗み見ている。 夫はその線に気づくと、サッと表を消し、徹な仮面を貼り直した。

「……泣かせるなと言っただろ。これだから、おには会わせたくなかったんだ」

「あなた……悠真に何を言ったの? 私の病気が、あの子のせいだって言ったの!? あの子が私を疲れさせたから、私が倒れたって……そんな嘘を吹き込んだの!?」

私の震える声に、夫の眉がピクリとねた。

だが、夫は微も狼狽えなかった。 それどころか、悠真の腕を乱暴に引っ張りげると、私の目をまっすぐに見据えて、ややかに言い放った。

「事実だろ」

「……は?」

「おが毎毎、『悠真が言うこと聞かない』『片付けない』『朝起きない』って愚痴ってたの、忘れたのか? おがで抱え込んで、勝にストレス溜めて、倒れたんじゃないか。あいつの育児でおがパンクしたんだから、あいつの責任でもあるだろ」

「そんなの……ただの常の愚痴じゃない! それを、どうして歳の子に背負わせるのよ!?」

「背負わせなきゃ、あいつは自しなかったんだよ!」

夫が、い声で鋭く囁いた。 その瞳には、狂気じみた自負が宿っていた。

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