みかん小説
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"もう来るな" 第3話

|ここですか

夜8になっても、お客さんは来なかった。

さらに10分待ったおかげで、し落ち着くができた。(本当は、今からに入って気を消して、今は内見がなかったことにしようか迷ってただけ。)

810分、女性が古いスクーターに乗ってやってきた。あのがあまりにも気なせいで、両隣のはとっくにていっていた。は静まり返っていて、角を曲がってくるから、ぽぽぽ、とエンジンの音が聞こえた。

スクーターを止めると、女性はまずそのものより、玄関の番表示をじっと見ていた。ずいぶんいこと。

「ちょっと待ってください。字架、持っていくので」

バッグからさなの字架をして、に握った。私は真顔でを押した。

「に入ったら、質問はしないでください。聞きたいことがあったら、にてからお願いします」

女性はうなずいた。

取りは素直だけど、奥きのある建物だった。1階のいちばん奥が台所で、その奥にさなトイレがある。台所の真が、2階の主寝だ。

台所まで来たところで、急にめまいがして、目のが瞬暗くなった。でも、にはせなかった。

お客さんは平然としていた。トイレの入までくと、戸の脇にすっとを伸ばし、気をつけた。

古いって、スイッチの位置が似てるんだな。こののも、こんな造りなのかもしれない。

そんなふうにった。

トイレのタイルは、この建物のどこよりもしかった。真っで、黄ばんだ台所からそこだけ浮いている。売りやすいように、持ち主がここだけ直したんだろう。私はのでメモしておいた。

女性も、そのタイルをいこと見ていた。リフォーム代でも計算してるのかとうくらいに。

資料を片に台所を通り見てもらってから、2階へがった。

主寝では、壁の血文字を見て驚かれるかと配していた。ところが、その必はなかった。女性は塗り直された壁をじっと見つめ、そっとを触れた。そのあと、寝に付いているトイレものぞいた。

のでは聞かないで、とを押したし、さすがに丈夫だろう。

そうったら、これだ😆

「くなったのって、この所ですか?」

ので、くそ、と言った。

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