"「子どもがいないから」と義妹の長男を譲ろうとする義家族" 第14話
所にも、息子自の藤井幸子さんがどんな言葉で嫁を脅迫しているか、すべてれ渡ることになりますよ」
義母の顔から、みるみるうちに血の気が引いていった。 唇がワナワナと震え、言葉にならない掠れ声が漏れる。
「せ……世体を、何だとってんのよ……あんた、がおかしいんじゃないの……」
「ええ、おかしくもなりますよ。あなたたちに、も踏み躙られてきたんですから」
私は踵を返した。 背から義母の呪詛のような声が聞こえたが、度も振り返らなかった。
が向かったのは、駅ではなかった。 私はそのままタクシーを拾い、区役所へと向かった。
区役所階、子ども庭支援課。
パーテーションで区切られた相談ブースで、私は担当の女性相談員と、保育課の職員のに類を差ししていた。
夫が勝に私の名と印鑑を使って偽造した『保育所等転園・委託児童に関する現況届』。 悠真が描いた、黒く塗りつぶされた絵のカラーコピー。 そして、夫や義母とのこれまでのやり取りを系列でまとめたメモ。
「……なるほど。状況は把握いたしました」
相談員の女性は、鏡の奥の目を険しくさせ、類を丁寧にファイルに綴じた。
「お母様は帝王切の入院、お父様は養育を拒否して親族でのたらい回し。さらに、受託者とされている藤井様ご夫妻のでもが形成されておらず、類の偽造までわれている……。
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これは確に、庭内での養育能が破綻している状態です」
「はい」
「悠真くんの理負荷も刻です。園からの報告とも致します。藤井様、よくぞご相談に来てくださいました。このままでは、あのお子さんが取り返しのつかない傷を負うところでした」
相談員は元のパソコンに素くキーを打ち込み、枚の公な文をプリントアウトした。
朱の公印が鮮やかに押された、の用。
『庭環境および養育状況に関する確認通』 『児童福祉法に基づく庭訪問調査の実施について』
宛名には、保護者である田翔太の名。 そして、同居親族・関係者として、藤井直、藤井幸子の名が並んでいた。
「本付で、保護者である田様へ、この通を特定記録郵便で送付します。同に、、職員が病院の美穂様の元へ直接向き、実態の聞き取り調査をいます。産ケア事業の利用を含め、公な支援の枠組みを制に適用します」
相談員は類を封筒に入れながら、私をまっすぐに見つめた。
「もう、藤井様がおで抱え込む必はありません。これは、親権者と政が解決すべき問題です」
「……ありがとうございます」
々とをげた瞬、張り詰めていた胸の奥から、たい息がすうっと抜けていくのをじた。
区役所の自ドアをると、正午のたいが吹き抜けた。
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見げた空は、ひとつない群青だった。
だが、これで終わりではない。 公な通という名の鉄板が、あの逃げ回る男たちと、傲な義母の元へ叩きつけられる。 密の「族の」に隠れて私をい物にしようとしていた者たちに、逃げのない現実のが注がれようとしていた。
そのの夕方。 私のスマートフォンに、義妹の美穂から、着信が入った。 病からの話。 画面に浮かぶその文字を見つめながら、私は静かに通話ボタンを押した。
「お義姉さん……私、もう嫌……!」
病からの話にた瞬、美穂の掠れた叫び声がを刺した。 受話器の向こうで、赤ちゃんのい泣き声と、荒いシーツの擦れる音がなる。
「さっき、区役所の子ども庭支援課のが病に来たの……悠真の保育園での様子、全部聞かされた……!」
言葉が途切れ、激しい過呼吸のような息遣いが漏れる。 帝王切の傷が痛むのだろう、うめき声混じりの嗚咽だった。
「悠真が……黒い箱のに閉じ込められた絵を描いたって……『いらない子だから捨てられた』って言ってたって……! 私、そんな……そんなつもりじゃなかったのに……!」
「美穂ちゃん」
私はち止まり、たい夕暮れのので受話器をく握った。
「『そんなつもりじゃなかった』で済む段階は、もう過ぎたのよ。あの子は本気で、母親に捨てられたと絶望してる」
「嫌だ……悠真を取り戻したい……! でも、翔太さんが……お義母さんが……!」