"「子どもがいないから」と義妹の長男を譲ろうとする義家族" 第7話
率直に聞くわね。悠真くんのこと、いつまでうちに預けるつもりなの?」
話の向こうで、息を呑む気配がした。
「……え?」
「直からは、半からって聞いたわ。悠真くんの転園届の類まで、うちの斎に用されていた。美穂ちゃん、あなたもそのつもりで悠真くんを預けたの?」
「半……!?」
掠れた叫び声が返ってきた。 らかな揺。 受話器の向こうでシーツの擦れる音が激しく鳴る。
「違う……! 私、そんなの聞いてない! 翔太さんには、入院のだけ、どうしても無理なら退院の週だけって頼んだの! それなのに、お義母さんと翔太さんが……」
「翔太さんが、何を言ったの?」
美穂は言葉を詰まらせ、やがて話越しにしゃくりあげる声が混じり始めた。
「……翔太さん、目がまれるって決まったから、ずっと言ってたの。『俺はこれから役職ががって事な期だ。夜泣きで眠になって仕事に支障がるのは困る』って……。『の子がいるとのが荒れるから、実に預けろ』って……」
の奥が、ギリギリと音をてて軋んだ。
「でも、お義母さんは『私のじゃ歳児の面倒は見切れない』って断って……そしたらお義母さんが、『直のところなら子供がいないし、真紀さんも寂しいいをしてるんだから、悠真を預ければぶ』って……」
――ぶ。
吐き気がした。 の庭の都で子供を押し付けられ、度の流産で子供を諦めた痛みを「寂しさを埋める具」
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として消費される。 それが、夫の族が私に向けた「親切」の正体だった。
「美穂ちゃん、聞いて」
私はを押し殺し、努めて平坦な声で告げた。
「悠真くんは今、うちのリビングにいる。でもね、あの子はので『ママに捨てられた』って泣いたのよ」
「……っ!」
「お義母さんが悠真くんにそう吹き込んだのよ。『しい赤ちゃんがまれたらもう育てられないから、おばちゃんの子になりなさい』って」
話の向こうから、息が止まるような激しい嗚咽が漏れた。
「嘘……そんな……私、そんなこと言も……!」
「あなたが言っていなくても、悠真くんはそう受け止めたの。の顔を伺って、捨てられないように必でいい子のフリをしてる。歳の子に、そんないをさせて平気なの?」
「嫌だ……そんなの嫌……悠真……!」
美穂の泣き声が病に響いているのが分かった。 この子は、悪ではない。 ただ、自分勝な夫と、支配な母親に押し切られ、波をてないために番のいが子を犠牲にしてしまったのだ。
「美穂ちゃん。泣いていても何も解決しないわ」
私は徹に、現実を突きつけた。
「私は悠真くんを期で育てる気はありません。私には私の仕事があり、活がある。何より、親がいる子供を、親の都で奪うような真似は絶対にしない」
「お義姉さん……」
「翔太さんと話しいなさい。退院したら、すぐに悠真くんを引き取りに来て。
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それができないなら――」
私は言葉を区切った。
「自治体の産ケア事業でも、ファミリーサポートでも、民のシッターでも使いなさい。おがかかるなら、翔太さんの遣いを削ればいい。悠真くんのを壊してまで守るキャリアなんて、父親の資格はないわ」
そう言い捨てて、通話を切った。
洗面所の鏡をもう度見る。 目がくなっていたが、涙は落ちなかった。 戦う相は、義妹ではない。 善の顔をして私を搾取しようとする、あの男たちと義母だ。
そのの夜、過ぎ。
玄関の鍵がき、たい音とともに夫の直が帰宅した。 にはコンビニのビニール袋。 ネクタイを緩め、いかにも「仕事を終えた男」といった疲れた顔でリビングのドアをけた。
悠真は、散々泣き疲れたあと、リビングの恐竜のパジャマのままソファで眠り込んでいた。
「ただいまー……。ふぅ、疲れた。美穂のやつ、女の子だったよ。翔太くんもんじゃってさ、病院のくで軽く杯付きわされて遅くなったわ」
悪びれもせず、酒とタバコの匂いを漂わせながらソファーの空いているスペースに腰をろそうとする。
「座らないで」
私がたく言い放つと、直はきを止めた。 怪訝そうに眉をひそめる。
「……あ? なんだよ、いきなり」
「話があるの。向こうの部へって」
私は寝を指差した。
眠っている悠真を起こさないためだ。