"「妹の祝いだ50万出せ」と言った夫の裏の顔" 第12話
「美さん。今、翔太さんと緒?」
「うん……。実から引き返して、今、のアパートにいる……」
「スピーカーにして。事な話があるの」
擦れの音がして、翔太さんのい声が割り込んできた。
「義姉さん、田です。さっきは取り乱して申し訳ありませんでした」
「いいえ。翔太さんの仰ったことは、全て正当な主張です。……にお伝えしなければならないことがあります」
私は呼吸をつ落とし、先ほど自宅で起きた部始終を、淡々と、しかし容赦のない正確さで伝えた。
夫には貯が1円もなく、友に借を断られたこと。 義母が半から奈緒というのをり、公認していたこと。 美から預かった40万円が、その女との箱根旅とカルティエの計に消えたこと。 そして、追い詰められた夫と義母が、私の独代の貯から40万円を肩代わりさせようとしたこと。
受話器の向こうから、美のさな鳴が漏れた。
「嘘……お母さんもってたの……? お兄ちゃんが、あのと……?」
「美さん、あなたもに駅で見かけたでしょう。あの、夫さんは『仕事の相談』だと言い訳したはずよ。お義母さんは、そのから全てっていて、あなたにも止めしていたのよ」
「……っ、うそ、嘘よ……! なんで……なんでそんなの……!」
美が耐えきれずに泣き崩れる声が聞こえた。
「お兄ちゃん、私の結婚式で泣いてくれたのよ……? 『美、幸せになれよ、困ったことがあったらいつでも俺を頼れ』って……! あの言葉も全部嘘だったの!? 私のお祝いを使って、女と温泉にって……お母さんも緒になって私を騙してたっていうの!?」
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「美、落ち着け」
翔太さんの厳しい声が響いた。
「義姉さん。教えてください。僕たちはこれから、どうすればいいですか」
私は背筋を伸ばし、経理としての、そしての自した社会としての声で答えた。
「翔太さん、美さん。族のに訴えても、あのたちからは1円も回収できません。あの母子は、誰かがをかぶってくれるまで、嘘と泣き落としを繰り返すだけです」
「……はい」
「の正午までに40万が振り込まれる見込みは、ゼロです。ですから、論ではなく、法な続きで堀を埋めてください」
私は元のメモ帳をめくりながら、具体に指示をした。
「まず、番で公証役、または弁護士を通じて『債務承認弁済契約』の作成準備に入ってください。夫さんが40万円を確かに預かり、それを私に流用したという事実を、面で自させるのです。もしサインを拒否するなら、翔太さんの親族へ事実を公表し、警察への被害届、そして会社役員へのコンプライアンス違反の申してを、予告通り淡々と実してください」
「……そこまで、やっていいんでしょうか」
美の怯えたような声。 まだ、どこかで兄への甘えが残っている。
「美さん」
私は声をしだけくした。
「あなたがけをかければ、そのツケを払わされるのは翔太さんよ。あなたの夫になるを、あなたの族の犯罪の巻き添えにする気?」
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受話器の向こうで、美がハッと息を呑んだ。
「……分かりました。お義姉さんの言う通りにします。もう、お兄ちゃんの嘘には付きいません」
「賢な判断です。それから翔太さん、私のほうからも、週けに夫さんと奈緒の双方に対して、弁護士を通じて内容証郵便を送付します。婚姻関係の破綻に伴う慰謝料請求と、財産分与の続きです。連携してめましょう」
「ありがとうございます、義姉さん……本当に、すみません」
翔太さんの言葉を聞き届け、私は通話を切った。
これで、堀は埋まった。 夫が逃げ込める所は、もうどこにもない。
曜の朝。
私は休暇を取得し、都内の法律事務所を訪れていた。 企業の財務トラブルで以から付きいのあった、婚・事事件にい女性弁護士・先のオフィス。
応接のガラステーブルのに、私が週末のに理した類が然と並べられていた。
夫の審な履歴をまとめたエクセルシート。 箱根羅温泉の領収と、奈緒の署名が入ったカード細のコピー。 夫の裏アカウントの投稿画像(祝儀袋が写り込んだもの)。 そして、義母と夫の暴言、倫の公認、銭求が々しく記録された音声データ。