"リフォーム代二百万を払った実家に、他人が住んでいた" 第12話
しくを買い取ったさんが、私への法侵入と器物破損未遂で通報したのです。
義姉の真由美は、警察官の姿を見た瞬に激し、 「この男に騙されたんです! 私の預を奪われたんです!」 と、通がを止めるのも構わず叫び散らしました。
義姉の母親は、炎で症になりかけたのか、青ざめた顔で座り込み、通りかかったタクシーを引に拾って、娘すら置いてで逃げるようにっていきました。
務の営業マンは、徹な付きで兄のサインが入った請負契約のコピーを警察官に提示し、 「弊社としても、確な詐欺為および業務妨害として、顧問弁護士を通じて損害賠償を請求いたします」 と事務に告げました。
兄の健は、コンクリートの面に両膝をついたまま、のように汚れた級スーツのズボンを握りしめ、ただ虚ろな目で警察官に両脇を抱えられていました。
私と母は、これ以そのに秒たりとも留まる必はありませんでした。 騒ぎてる親族の号を背に聞きながら、私たちは無言でに乗り込み、度もバックミラーを見ることなくそのをにしました。
助席の母は、膝のでぎゅっと握りしめていた拳を、が幹線にたところで、ゆっくりと緩めました。
「……終わったわね」
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く、く吐きされたため息とともに、母の背から、何ものあいだ張り付いていた見えないが、音をてて滑り落ちていくのが分かりました。
それから週が過ぎました。
の終わりを告げる蝉が、しずつの虫の声へと移り変わり、の肌触りがらいできた頃。
母のしい活は、驚くほど穏やかに、そして規則正しくんでいました。
朝に起き、向きのリビングの窓をいっぱいにけてを通す。 ベランダのさな植鉢にをやり、歩いて分ほどのスーパーへ、朝どれの鮮な野菜を買いにく。 オートロックのエントランスをくぐるたびに、管理さんが「佐藤さん、いってらっしゃい」と笑顔で声をかけてくれる。
になれば廊が凍りつき、夜にが戸をガタガタと揺らしていたあの広い旧実にいた頃の母とは、まるで別のようでした。
目尻のじわが柔らかくなり、声にはハリが戻っていました。
けれど、嵐がそう簡単に完全にるはずもありませんでした。
共通の親戚や、夫の経由で、兄夫婦のそのの惨状がに入ってきました。
義姉の真由美は、あの以来、荷物をまとめて実へ戻り、庭裁判所へ婚調の申してをったそうです。 「夫の度なる虚偽申告による額の銭搾取、および婚姻関係の破綻」
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が理由でした。 義姉の母親も「娘のを台無しにされた」と激し、親族総で兄を吊るしげているとのことでした。
方の務からも、兄の会社宛てに正式な損害賠償請求の内容証が届いたそうです。 特注資材の解約違約、設計費、測量実費などをわせ、相殺の分として、さらに万円の支払いを求める請求。 すでに支払った百万円は円も戻らず、さらに負債が乗せされた形でした。
兄の会社は、もともと自転操業だった資繰りが完全にショートし、請けへの支払いも滞り、いよいよ破産寸まで追い詰められているという噂でした。
すべては、の丈にわない見栄を張り、の財産を勝に担保にして博打を打った、兄自の浅ましい選択が招いた自業自得です。
しかし、追い詰められたほど、自分の過ちを認める代わりに、への憎悪を燃料にして暴するものだと、私はこのまだ甘く見ていました。
の初旬、よくれた平の午でした。
私は仕事が休みだったため、母のマンションを訪れ、くの商で買った果物や惣菜を抱えて、で談笑しながらエントランスへ戻ってきたでした。
自ドアのセンサーが反応する、その。
マンションの敷を囲む植え込みのから、に、黒いがびしてきました。
「……いたぞ」
朶を打つ、ドスの利いた、掠れた男の声。
臓が、喉からびるかとうほどねがりました。