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"義母の葬儀で消えた妻と百八十万" 第16話

俺は着の内ポケットので、ICレコーダーの録音スイッチを静かにスライドさせた。 「ええ、お母さんが、切に保管されていた数々の記録です」 「記録……?」 「正さん。お母さんの預通帳を、あなたが管理されていたのは違いありませんね?」 「あ、ああ……そうだよ。に言っただろ、母さんの認症が配だったから、男の俺が預かって管理してやってたんだ。族としての当然の配慮だよ」 俺は鞄から、義母が残した記のコピーをテーブルのに広げた。 「しかし、お母さんのきのメモによれば、あなたの説とは随分とい違う点があるようですが」 正の顔から、サッと血の気が引いた。 「な、何だそのメモは! 母さんは認症だったんだぞ! そんなボケた寄りのいたデタラメを真に受けるのか!」 隣で直子がヒステリックにを挟む。 「そうですわよ! 認症の徘徊老がいた落きじゃないの! そんなものに何の証拠価値があるっていうのよ!」 「お母さんは、最期まで識は極めて清でした」 俺は然と言い放った。 「定期にお見いに来ていれば、そんな侮辱な言葉は吐けないはずです。……さて、本題に入りましょう。過ヶにわたり、お母さんの座から毎万円ずつ、計百万円が引きされている件についてです」 ガチャン――。 正が持っていたおのグラスが倒れ、テーブルのにが広がった。 「な、何の話だ……!?」 「万円ずつ、回。計百万円。引きされたはすべて平の昼。そしてその所は、お母さんの活圏ではなく、あなたが勤務する商社本社のすぐ隣にある支のATMです」 「そ、そんなの……! お母様に頼まれて、活費や病院代をろして届けてあげてただけですわ!」 直子が青ざめながら叫ぶ。 「病院代の領収は、すべて由が保管しており、母の別の活費座から支払われていました。この百万円の使途について、確な領収を提示していただけますか?」 俺がの取引履歴のコピーを突きつけると、正の唇がワナワナと震え始めた。 「そ、それは……俺が、母さんの代わりに預かって……」 「の代理登録類も確認させていただきました。あの委任状の署名、跡鑑定をえば、誰がいたものか発で判しますが、鑑定に回してもよろしいですか?」 静まり返った内に、ウェイトレスの運ぶ器の音だけが虚しく響いた。 正は両をテーブルのに隠したが、その肩が目に見えて震えているのを俺は見逃さなかった。 「証拠もないのに……勝な言いがかりをつけるな……!」 「証拠なら、ここにあります」 俺は鞄から、型のスピーカーを取りし、義母が遺したカセットテープの音声を再した。 『息子が信用できないのかよ! いいから印鑑を寄越しなさい!』 正自の鳴り声が、テーブルのに響き渡った。 「ひっ……!」 直子がい鳴をげて元を押さえた。 「お母さんは、すべてを記録していました。あなたとの会話も、引きしのも。そして……正さん、あなたの抱えている額の借についてもね」 「な……に……!?」 正の瞳孔が恐怖で見かれた。 「借……? ちょっと正さん、借って何の話よ!?」 直子が夫の腕を掴んで激しく揺さぶった。 「百万円を超える、消費者融からの額の借です。原因は、パチンコと競馬だそうですね。商社のエリート課が、ギャンブルで作った借を穴埋めするために、病の母親のをにわたって着し続けていた。……これが、すべての真実です」 「嘘……嘘でしょ、正さん!? あなた、ギャンブルなんてやってたの!? 百万も借があるの!?」 「だ、黙れ直子! うるさい!」 正が激して妻のを振り払った。周囲の客たちが驚いてこちらを斉に見つめる。 「俺だって……俺だって苦しかったんだよ! 仕事のストレスで、気が狂いそうだったんだ! 借の返済に追われて、首が回らなくなって……母さんなら、俺を助けてくれるとったんだよ!」 「だからといって、病気の実の母親のを盗んでいい理由にはならない!」 俺のが、正の言い訳を叩き潰した。 「どうして私に隠してたのよ! 私のブランド品を買うおはどうなるのよ! 毎のタワマンのローンはどうするのよ!」

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