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"義母の葬儀で消えた妻と百八十万" 第14話

義母はそのつの狭で血を吐くような苦悩を抱えながら、最の望みを俺に託して逝ったのだ。 「今、お兄ちゃんが実の鍵をあんなに必に欲しがって、遺品理を急いでいたのは……この庫を探していたからなのよ」 由の言葉に、すべてのピースがカチリと音をてて噛みった。 正は、母親が自分の正の証拠をどこかに隠していることをづいていたのだ。だからこそ、葬儀のどさくさに紛れて実に忍び込み、証拠隠滅を図ろうとしていたのだ。

「健太郎さん……お願い。お母さんの最の願いを、叶えてあげて」 由が俺の胸に顔を埋め、懇願するように囁いた。 俺ので、眠っていたすべての迷いが吹きんだ。 もの、自分自の過の失敗に怯え、目を背け続けてきた公認会計士としての誇り。数字を読み解き、正をのに晒し、正義を貫くためのその力を、今使わずしていつ使うというのか。 「分かったよ、由。お母さんの無、俺が必ずらしてみせる。正さんの犯した罪のすべてを、徹底に暴いてやる」 俺が力く告げると、由は涙に濡れた顔をげ、俺のを両でく握り返してくれた。 義母が命を賭して遺してくれた力な武器は、今、俺ののにあった。

翌朝、俺は会社に休暇の申請をし、自宅のダイニングテーブルを執務デスクに見てて、義母が遺した証拠類の徹底な分析作業に取り掛かった。

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ぶりの本格な財務分析だったが、体に染み付いたプロフェッショナルの覚は、まるで昨のことのように鮮に蘇ってきた。数字の羅列から正の痕跡を嗅ぎ分ける第が、研ぎ澄まされていく。

まず着目したのは、通帳に刻まれた『毎万円』という額の狡猾さだった。 もし度に数万、数百万というを引きせば、のシステムによる正検や、親族からの追及を受けるリスクがまる。しかし、万円程度であれば、齢者の医療費や費、雑費として分に言い逃れができる。にして万円、で百万円。相の活を破綻させないギリギリのラインを見極めた、極めて悪質で計算い着だった。 さらに、通帳の取引細に印字された取扱の番号をつひとつ照していくと、決定な事実が浮かびがった。 回の引きしは、すべて『平の午から』のにわれていた。そしてその取引所は、義母が暮らす実の最寄り支ではなく、正が勤務する商社の本社ビルにい、都の等の支窓およびATMだったのだ。 介護状態にあり、歩器なしではから歩もられなかった認症の齢者が、平の真っ昼にでを乗り継ぎ、都のビジネスのATMまで向いてをろすなど、物理に絶対に能な話だった。

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次に、義母が几帳面に残していた記形式のメモを照らしわせた。 そこには、正と直子が実を訪れた付、交わされた会話の旨、そして正が「通帳を預かる」と言って持ちったのの来事が、詳細に記録されていた。 『正が来て、通帳を持っていった。息子の親切だと信じたい。けれど、何かがおかしい。胸騒ぎが止まらない』 義母の直は、恐ろしいほど正確だったのだ。

計の針が午を回った頃、俺は由を伴って、義母がメインバンクとして利用していた方の支へと向かった。 応接に通され、現れた支代理の男性に対し、俺は単刀直入に用件を切りした。 「くなった佐藤美代子の代理続きに関する類を確認させていただきたい」 支代理は困惑した表を浮かべ、型通りの断り文句をにした。 「申し訳ございませんが、お客様の個報に関わる類ですので、相続全員の同がない限り、示することはいたしかねます」 俺はスーツの内ポケットから、財布の奥くにしまい込んでいた『公認会計士分証』を取りし、机のに静かに提示した。 「私は故の娘婿であり、同に公認会計士の田健太郎と申します。現、遺産相続に際して極めてな横領および私文偽造の疑いがじており、事実確認をっております。

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