"「部屋はどこでも同じ」と1800万奪った息子の妻" 第6話
居の引き渡し予定はいつですか?」
「です。あとヶです」
「わかりました。それまでは、こちらから派に仕掛けるのはやめましょう。相を刺激して財産を隠されたら元も子もない。相が居の契約をどう処理するのか、泳がせて事実関係を確定させます。千代さんはその、活の拠点を確保し、体調をえてください」
私は弁護士の言葉に従った。 ウィークリーマンションをて、駅から徒歩分、築のさなワンルームアパートを借りた。 敷と礼を払うと、元の予備資は許なくなったが、背に腹は代えられない。 さなやかんをつ買い、い布団を敷き、私は息を潜めてそのを待った。
ヶ、息子からも美さんからも、連絡は切なかった。 母親がどこで寝起きし、何をべているのか、確認しようともしない。 その酷な沈黙が、私の覚悟をごとに研ぎ澄ましていった。
そして迎えた、。 ひとつない、抜けるようなれの曜だった。
午分。 私の古いスマートフォンの画面が、突如として激しく滅した。 机ので、ブーブーと気な唸りをげて震え続ける端末。
画面に表示された名に、私の喉が引きつった。
『 健』
ヶ、完全に私を着信拒否していた息子からの話だった。
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私は呼吸をつし、録音アプリを起させてから、通話ボタンをスワイプした。 に当てた瞬、鼓膜を破らんばかりの声がび込んできた。
「おい! 母さん! あんた今どこにいるんだよ! 何やったんだよ、おい!」
息子の声は裏返り、尋常ではないパニックに陥っていた。 背からは、級ホテルのラウンジのような静かなクラシック音楽と、それに釣りいな赤ん坊の泣き声、そして甲い女の喚き声が微かに混ざりって聞こえてくる。
「何って、何のこと?」
私が極めて平坦な声で返すと、話の向こうで荒い呼吸の音がした。
「とぼけるなよ! あんた、デベロッパーに何か余計なこと吹き込んだだろ!? 契約を解除しろとか、横槍を入れたんじゃないのか!?」
「言っているがわからないわ。私はヶ、あなたたちと言も話していないでしょう」
「じゃあなんでだよ! なんで今、鍵がもらえないんだよ!」
息子が叫んでいる所が、すぐに察しがついた。 築マンションの引き渡しカウンターだ。
本来なら今、健は会社に休暇を取り、美さんと義母の子さん、そして子どもを連れて、れがましい顔で居の鍵を受け取るはずだったのだ。 ピカピカの築マンションのエントランスで族写真を撮り、親戚に自するつもりだったのだろう。
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だが、話の向こうから、淡で事務な男性の声が割り込んできた。
『お客様、のお客様のご迷惑になりますので、声を落としていただけますでしょうか』
マンションの販売会社の担当者だった。
『嘘だろ……何かの違いですよね!? 俺たちは今、引き渡しを受けるために仕事を休んで来たんですよ! 付だって払ってる!』
息子の痛な叫びに対し、担当者の声は氷のようにたかった。
『ですから、先ほどから申しげております通り、こちらの売買契約は先末付で既に【解除】となっております。本の引き渡し予定などいたしません』
話越しに、美さんのい鳴が聞こえた。
『か、解除って……どういうことですか! 契約にそんなこといてないだろ!』
『契約条項第条に基づきます。期までに自己資の残代のお支払いが確認できず、当方より送付いたしました再にわたる履の催告にもご対応いただけませんでした。したがって、売買契約は正当に解除され、既にお預かりしていた付につきましても、違約として没収の取り扱いとなっております』
自己資の払い。 催告の無。 契約解除。 付の没収。
容赦のない単語が、て続けに息子のに――そしてスピーカー越しに私のに突き刺さった。
千百万円の築マンションが、完全に消滅した瞬だった。
『……催告? 美、おい美、何の類だそれ! お、何か受け取ってたのか!?』