"「部屋はどこでも同じ」と1800万奪った息子の妻" 第1話
み慣れた埼玉の自宅を放したの夜。 私の荷物は、息子の賃貸マンションの狭い玄関脇に、粗ゴミのように積みげられていた。
「お母さん、居のマンションが完成するまでの辛抱ですからね」
息子の妻である美さんが、笑顔のまま指さしたのは、リビングの片隅に置かれたスチール製の折りたたみベッドだった。 パイプが剥きしになった、簡易なパイプベッド。 いマットレスからは、特の油のような匂いがを突いた。
「リビングなら、夜にトイレにくのもくてでしょ?」
声の調子だけは、どこまでも親切だった。 しかし、その目は切笑っていなかった。
歳の骨には、そのいマットはあまりにもすぎた。 仰向けになると、腰の骨がダイレクトにのさを拾い、鈍い痛みがる。 隣の寝からは、息子と美さんの話し声、そして折漏れ聞こえる笑い声が壁を伝ってきた。
……これが、私の選んだ結末なのだろうか。
、夫が全で急逝した。 残されたのは、昭の終わりに建てた階建ての造宅。 柱がきしみ、漏りの修繕には百万円単位のがかかると業者に言われていた。 庭の雑を抜くのにも腰が鳴をげ、の呂は凍りつくように寒い。
そんなに、息子の健が切りしてきたのだ。
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『母さん、もうでこんな広いにむのは危ないよ』 『俺たち、族向けの築マンションを買うことにしたんだ。母さんの部も当たりのいい部を用するからさ。緒に暮らそう。老の面倒は全部俺たちが見るから』
その言葉が、どれほど孤独な胸に染み入ったか。
産との交渉をね、諸経費を差し引いて元に残った売却代は、きっかり千百万円だった。 夫と私が、汗垂らしてローンを払い続けた、私たちのそのものの結晶。
居となる予定のマンションは、郊の駅に建設の千百万円の物件だった。 健たちは夫婦で千百万円の宅ローンを組み、私の売却代千百万円を、と諸費用に充てるという話だった。
もちろん、私はただおを差ししたわけではない。 契約のに、私は息子と美さんをにして、はっきりと伝えていた。
「私のした千百万円分は、ちゃんと私の持分として登記してちょうだい。それから、私がぬまでむ部があることも、類にしておきたいの」
健はその、呆れたように笑って私の肩を叩いたのだ。
『当たりだろ。族なんだから疑うようなこと言うなよ。付払って本契約がんだら、司法士に頼んで全部きちんと続きするからさ』
その言葉を信じた。
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信じて、言われるがまま、計を管理しているという美さんの名義の座へ、千百万円を括で振り込んだ。
だが、あの振り込みのから、何かが狂い始めた。
「母さん、登記の話は引き渡しがくなってからでいいだろ。今はローンの本審査とかで忙しいんだよ」
健はそう言って話を濁し続けた。 そして「居ができるまでの数ヶ」という名目で転がり込んだこの賃貸マンションで、私はいつのにか、ただの居候以のになっていた。
朝はに起き、族分の朝と弁当を作る。 息子のワイシャツにアイロンをかけ、孫を保育園に送り、掃除をかけ、夕の買いしにく。 美さんは「パートで疲れているから」とリビングのソファからかず、スマートフォンを眺めているだけ。
「お母さん、今のお噌汁、ちょっとがいです。健さんも疲れて帰ってくるんだから、もっとちゃんとしたもの作ってくださいね」
文句だけはだった。 それでも私は、波をてまいとを噤んだ。 自分がすればいい。居に入れば、約束通り私の部ができるのだから。 そう自分に言い聞かせていた。
だが、その儚い希望は、翌の朝、無残にも打ち砕かれた。
朝の片付けを終えた、美さんが何気ない調で言ったのだ。
「あ、お母さん。
居の取りのことなんですけどね。番広い向きの角部、うちの母に入ってもらうことにしましたから」