"産後5日の病室で、娘を奪う義母が夫を殴りつけた" 第12話
だが、すぐにい直したように、義母はを震わせながらそのに正座し、たい廊のに両をついた。
座だった。
所の目を何よりも気にし、親戚ので常に座に座り、私に対して度としてをげたことのなかった女が、額をに擦りつけて泣き崩れている。
「悪かったわ……私が悪かった! あんたを追いそうとしたのも、全部謝る! だから……これで、これで健太を許してやってちょうだい!!」
義母は震えるでバッグの底を漁り、冊の古い通帳と、黒い印鑑ケースを取りした。 そして、それをドアの隙から、私の元へと滑り込ませてきた。
青い表の、定期預の通帳だった。
「私の……私の最の個を解約してきたの。親戚にもをげて、かき集めてきたおよ。ここに、200万円あるわ」
義母は顔をげ、涙とでぐしゃぐしゃになった顔で私を見げた。
「これを受け取って。そして、警察への相談を取りげてちょうだい。『夫婦喧嘩がき過ぎただけで、養子の話はただの冗談だった』って、病院と警察に証言してちょうだい……! 残りの100万は私が何とかするから! 健太を……私のたったの息子を助けてやってちょうだい!!」
差しされた通帳。 残の欄には、確かに『2,000,000』の数字が印字されていた。
私はその青い冊子を見ろした。 臓の奥が、え切った油のようにドロリとくなる。
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この期に及んで。 ここまで追いつめられてなお、この女が差ししてきたのは「」だった。
「……お義母さん」
私のく静かな声に、義母は期待に縋るような目を向けた。
「あなた、昨ナースステーションので何て言いました?」
「え……?」
「『この子はうちの孫だから私が育てる。あんたはつで実へ帰れ』そう言いましたよね」
義母が息を呑む。
「私が帝王切で腹を切って、まだしか経っていない体で、傷から血を滲ませてっているのをりながら……あなたと健太さんは、私から娘を奪い、寒空の廊へ放りそうとした」
「そ、それは……」
「そして今、自分の息子が逮捕されそうになったら、今度は200万を差しして『許してくれ』ですか?」
私は元に転がっていた通帳を、スリッパの先でたく押し返した。 ペラリと音をてて、青い冊子が義母の膝元へと戻っていく。
「ふざけないで」
「由紀さん……! お願いよ、受け取って! おがあれば、あんただってこれからの活が……!」
「おで解決できるとっているその根性が、番汚らわしいと言っているんです」
私はドアノブをく握り直した。 りで指先が震えていたが、声は驚くほど澄んでいた。
「健太さんが300万で娘を売りばそうとした、あなたは何と言いましたか? 『のために娘を売るなんてけない馬鹿者だ』と息子を罵りましたよね」
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義母の目がきく見かれる。
「今のあなたも、まったく同じです。息子さに、見栄と世体を守るために、おで私のを塞ぎ、娘の尊厳を買い取ろうとしている」
「ち、違う、私はただ……!」
「そのおは、どうぞの返済にお使いください。実が競売にかけられようと、健太さんが逮捕されようと、私と娘には微も関係ありません」
「由紀さん!! 待ちなさいよ、由紀さん!!」
義母が狂乱してちがり、ドアの隙から腕をねじ込もうとしてきた。
私は容赦なく、内側からドアをく引き寄せた。 バタンッ、とい属音が鳴り響き、チェーンをして鍵をに回す。
ドアの向こうから、爪で属を引っ掻くような音と、義母の喚き声が響いた。
「あんた鬼よ! 血女! うちの孫を返しなさいよ! 健太を破滅させる気!? けなさいよ、けなさいよォッ!!」
私は振り返り、迷わずナースコールの非常ボタンを押しした。
数秒、ドタバタという複数の音が廊に響き渡り、警備員たちの声と、取り押さえられた義母のみっともない鳴が交錯した。
「しなさいよ! 私は被害者よ! 息子の嫁に騙されたのよ!」
ざかっていく切り声。 やがて、産ケア棟の廊には、再び静寂が戻ってきた。
私は壁に背を預け、ずるずるとに座り込んだ。 全から汗が噴きし、傷が焼けるようにい。
両で顔を覆うと、指のからポロポロと涙がこぼれ落ちた。
しいのではない。