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"6年介護した義父から「息子を信じるな」と電話が来た" 第4話

「うるさい!」

夫の声が、静まり返ったに響いた。

「嘘でも何でもいいだろうが! 実際におはもう限界だったじゃないか! 毎晩ため息ばかりついて、腰が痛い、肩ががらないって愚痴って……俺はな、おのその息が詰まるような顔をこれ以見たくなかったんだよ!」

「だからって、お義父さんを騙して追いしていい理由にはならないわ!」

「追いす? 違う、施設に入れてプロに任せようとしただけだ! 何が悪い!」

浩司は畳に散らばった類を踏みつけながら、私との距を詰めてきた。かつては町の請けで真面目に汗を流していた男の顔に、今は追い詰められた獣のような濁った焦燥だけが張り付いている。

「いいか、なお子。綺麗事で飯はえないんだよ。うちの会社、もう持ちこたえられない。今末の形が落ちなきゃ、渡りをして倒産だ」

胸の奥がひやりとえた。

「……いくらりないの」

「千百万だ。請けへの未払いも溜まってる。はもう円も追加融資してくれない。俺が個保証を入れてるから、会社が潰れたらこのだって差し押さえをらうんだぞ。どうせ取られるくらいなら、親父が元気なうちにを売って、借を清算して、残ったで親父を別の施設に入れれば全員が助かるだろうが!」

浩司は唾をばしながら、両で自分のを抱え込んだ。

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「俺は族を守ろうとしてるんだ。このを売るしか、はないんだよ」

族を守る。

その言葉があまりにも滑稽で、私はめまいを覚えた。

「族を守るために、介護してきたお義父さんを奥の無認施設に閉じ込めようとしたの? 私には居所も教えないって脅して?」

浩司の目が泳いだ。

「そ、それは……親父が頑固に類に判を押さないから、しをやさせようとしただけで……」

「産には、もう話を持ってったのね」

問いかけると、浩司は悔しそうに奥歯を噛み締めた。

「……査定は済ませた。買いも見つかりそうだった。だが、あの業者がうるさいんだ。『名義ご本の売却を直接確認し、印鑑証と登記済証を揃えてもらわないと本契約は結べない』ってな。だから親父に判を押させようとしたのに……あのジジイ、話も聞かずに鳴り散らしやがって」

やはり、売買契約はまだ成していなかった。

本の法律では、いくら男であっても、親の産を勝に処分することはできない。本の能力が保たれている以、業者は所者本との面談を必須とする。浩司はそのハードルを越えられないまま、義父を精神に孤させて委任状に指印でも押させるつもりだったのだ。

「浩司さん、もうやめなさい。お義父さんは絶対に売らないと言っているわ」

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「黙れ! おに何がわかる! 会社の帳簿も見たことがないくせに!」

浩司は血った目で、再び仏壇の引きしにを突っ込んだ。

「どこだ……権利証はどこにある! 親父はおに預けてるはずだ! せ! さないならの畳を引っ剥がしてでも探すぞ!」

引きしが乱暴に引き抜かれ、に入っていた古い珠や線の箱がに散らばった。

私は歩も引かず、その背に向かって告げた。

「探しても無駄よ。それに、もしあなたが無理に権利証を持ちしても、あけぼの苑の施設とケアマネの川さんがすでに役所の域包括支援センターに連絡を入れているわ」

浩司のが、ぴたりと止まった。

「……何だと?」

「齢者虐待よ。親の財産を無理やり奪おうとして、本のに反して方の施設へ隔しようとした。派な経済虐待として記録される。産にも、今から私が連絡して『所者本に売却のはない』と正式に通告するわ。それでもあなたが引にけば、業者はトラブルを恐れてを引くし、包括の職員が警察に相談を入れることになる」

「お、おい……お、内の恥をに晒す気か!?」

浩司は振り向き、鬼のような形相で私の腕を掴もうとを伸ばした。

私はそのを、を引いて鋭く払いのけた。

数、このに嫁いできた頃の私なら、夫の声に竦みがって俯いていただろう。

だが、義父の排泄の世話をし、真夜にをせば救急の配をし、主治医や介護職員と対等に渡りってきたは、私をただの従順な嫁のままにはしておかなかった。

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