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"15年育てた妹の結婚式で、父に親族席から外された" 第6話

歳になる恵子さんは、元の公図館で司を務め、最定を迎えたばかりの女性だ。顔わせのも物静かで、必以にを挟むことはなかったが、その観察の確かさは言葉の端々に滲みていた。

「お母様……ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません」

私はくをげた。婦側の庭の諍いで、挙式を分も遅らせてしまったのだ。相方の親族からすれば、憤慨して席をってもおかしくない事態だった。

だが、恵子さんは咎めるようなを切見せず、すっと私のそばへ歩み寄ってきた。

「をげてください、真紀さん。悪いのはあなたではありません。事は、先ほど悠から聞きました」

恵子さんの線は、私の胸元でかすかに揺れるコサージュに向けられていた。

「悠が言っていました。さんは、お姉さんがいなければ今の自分はいなかったと、ずっと話していたと。席の変更が父親の独断だったことも、式の方から説を受けました」 「ですが、の皆様やご親族の方々をお待たせして……」 「うちの親族には、の材トラブルでしが押していると、悠の叔父が説してくれています」

恵子さんはさく息を吐き、私の目を静かに見つめ返した。その瞳には、甘やかすような優しさではなく、現実を静に見据えるの厳しさと誠実さがあった。

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「でもね、真紀さん。隠し通せるとはっていません。父親が自分の席を放棄してびしていったとなれば、どんなに取り繕っても噂はちます。親族のには眉をひそめるもいるでしょうし、式が終わったにない言葉を投げてくるもいるかもしれない」

「……はい」

「それでも、あの子たちはあの席順を選んだのですね」

「はい。が、自分で決めました」

私の答えを聞くと、恵子さんは初めて元をわずかに緩めた。

「なら、結構です。結婚式は、親戚に見せつけるための品評会ではありません。これからできていくと誓う所です。その最初の選択を自分たちで背負う覚悟があるなら、私は親として、それを支えるだけです」

恵子さんは私の肩にそっとを置き、わずかに力を込めた。

「真紀さん。胸を張って、番の席にお座りなさい。あなたが背負ってきたものを、が勝に値踏みすることなんて誰にもできませんから」

そのの温もりが、張り詰めていた私の肩の張りをしだけ解いてくれた。 く礼して恵子さんと別れ、私はチャペルのロビーへとを向けた。

だが、現実は恵子さんの言う通り、決して美しい美談ばかりでは終わらなかった。

ロビーの隅、喫煙所へと続くガラス扉ので、く荒らげられた声が響いていた。

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「あいつらは俺を舐めているんだ! 父親を締めして、姉妹だけで勝な真似をしおって!」

声の主は、やはり父だった。 式をびしたはずの父は、まだ建物のへってはいなかった。モーニングのネクタイを緩め、赤黒い顔で、親族のに激しい振り振りを交えて鳴り散らしていた。

その相は、静岡から席してくれた伯父の修平だった。 母の兄である修平伯父さんは、今で歳になる。元の農協を退職し、昔からを表にさない無なだったが、に母がくなった、唯、父の勝な振るいに苦言を呈してくれた親族でもあった。

「正彦、声を落とせ。周りが見ておる」

修平伯父さんは腕を組み、ややかな線で父を見ろしていた。

「見ていられるか! 俺が恥をかかされたんだぞ、兄さん! 真紀の奴がに余計なことを吹き込みおったんだ。あいつは昔からそうだ。母親面をして俺の庭を壊し、妹を自分の元に囲い込んで……!」

父の言葉が、私のに鋭く突き刺さる。 かつて母が息を引き取った病で、あるいは古い借の狭い玄関で、何度も何度も浴びせられた言葉。すべては真紀が勝にやったことだ、俺は悪くない、俺は族のために尽くしてきたのにあいつが壊したのだと。

父は、そう信じ込まなければ自分のを正当化できなかったのだ。

歳の娘を邪魔者扱いして追いそうとしたことも、歳の女にすべてを丸投げして逃げしたことも、全部『反抗な女のせい』にしてしまわなければ、世に顔向けができなかった。

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