みかん小説
本棚

"15年育てた妹の結婚式で、父に親族席から外された" 第4話

お義父さんが援助を取りやめるなら、僕の貯から補填すればいい。席は、元に戻そう」

「でも……」 「お姉さんが親族席の真んに座らない式なんて、僕たちにとっても嘘の式になる。そうだろう?」

悠さんの揺るぎない言葉に、の瞳に再びいが戻った。 は元の席次表をぎゅっと握りしめ、扉の脇につ式責任者に向き直った。

「責任者さん」 「はい」 「席を、最初の打ちわせ通りの配置に戻してください。私の隣、番の親族席にお姉ちゃんの名を入れてください。卓札も、今すぐ作り直してください」 「かしこまりました。ただちに配いたします」

責任者は堵したように礼し、インカムに指示をばしながら部をびしていった。 事態がきした。だが、それは同に、決定な破局の引きを引くことをしていた。

席の変更を指示してわずか数分、控の扉が乱暴にけ放たれた。

「何の真似だ、!」

声を響かせて入ってきたのは、モーニングコートを着た父、藤井正彦だった。 父の顔はりで赤黒く染まり、その線は部のにいる私を捉えた瞬、憎悪を剥きしにした。

「真紀、貴様か。を唆して式を止めさせたのは! どこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだ!」

「お父さん、やめて!」 がウェディングドレスの裾を翻し、私を庇うように歩へた。

広告

「お姉ちゃんは何も悪くない。勝に式に話して席を変えたのはお父さんでしょ!?」

「当たりだ!」 父は悪びれる様子もなく、を踏み鳴らした。 「本の男である俺が、親族を招待しているんだ。静岡の伯父さんたちに、どんな顔をして挨拶しろというんだ。親を捨てて勝にをびした女が、平然と親族席の最列に座っている姿を見せられるか! みっともないにも程がある!」

父のその言葉を聞いた、私ははっきりと理解した。 父が恐れていたのは、席の順番などではない。

親族たちので、このの嘘が暴かれることだ。 『来の悪い女が勝に妹を連れった』と親戚に吹聴してきた父にとって、私が婦の最もくで、名実ともに『を育てげた族』として座ることは、自分の嘘と怠を公衆の面で晒すことにならなかったのだ。 もし親族たちが、のれ姿をにして『真紀ちゃん、本当によく頑張ったね』と私に声をかけたらどうなるか。父の体面は瞬にして崩壊する。だからこそ、父は何としても私を会の隅へと追いやらなければならなかったのだ。

「お父さん」 の声が、静かに、だが信じられないほどたく響いた。 「私、ずっと言わなかったけど……全部ってるよ」

父の眉がねがった。

「何だと?」 「学を卒業した、私、静岡の伯父さんに会いにったの。

広告

お母さんがくなったのこと、本当はどうだったのかりたくて」

の言葉に、父の顔からさっと血の気が引いた。

「伯父さん、教えてくれたよ。お父さんが再婚相のとで暮らしたいからって、私を静岡に預けようとしたこと。それをお姉ちゃんが必で止めて、で暮らすことになったこと。お父さんが自分でサインしたも、伯父さんは持ってた。お父さんが親戚に『真紀が連れった』って嘘をついてたことも、全部」

「、お……」

「それでもね、私、今はお父さんに来てほしかったの」 の瞳から、再び涙が溢れした。だが、その声はもう震えていなかった。 「どんなに勝でも、私とお姉ちゃんのお父さんだから。何も会ってなかったけど、私の嫁姿を見て、しでも昔のことを反省して、『おたちでよく頑張ったな』って、言だけでも言ってほしかった。だから招待したの。それなのに……」

はドレスの胸元をく押さえた。

「お父さんは、自分の見栄を守るために、またお姉ちゃんを傷つけた。私の結婚式を、お姉ちゃんを貶めるための具に使った」

「、を慎め!」 父は声をげたが、その声にはらかな揺が混じっていた。 「俺がどれだけ恥をかけばいいとっている! いいか、あいつを族席に戻すなら、俺は今すぐ帰るぞ。

婦の父親がの結婚式がどういう目で見られるか、分かっているのか!? 相のの親戚に、どんな恥を晒すつもりだ!」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: