"15年育てた妹の結婚式で、父に親族席から外された" 第3話
限界が訪れたのは、母のからが経った頃だった。 父が、唐突に再婚相の女性を連れてきたのだ。相の女性は、子供のいない静かな活を望んでいた。 父はリビングで、当歳になろうとしていたと私のにち、事も無げに言った。
『は、静岡の親戚のところに預ける。あそこなら子供もきいし、面倒を見てくれるだろう』
邪魔者を片付けるような、え切った調だった。 はそのにへたり込み、声をげて泣いた。
『お母さんもいなくなったのに、私、またらないにくの? 嫌だ、どこにもきたくない。お姉ちゃんと緒にいたい……!』
すがりつくのさなを握りしめた、私ので何かが焼き切れた。 私はまれて初めて父に向かって鳴り声をげ、そので役所へり、親権の所や未成者の監護に関する制度を調べ尽くした。当、親権そのものを父親から奪うことは法に極めて困難だったが、未成見や実質な監護者の指定、学への連絡先変更など、できる限りの続きを揃え、庭裁判所の調を申してる構えを見せて父と対峙した。
父は、世体を極度に恐れる男だった。 裁判汰になり、親戚に『再婚のために娘を追いした』とられることを嫌った父は、最終にが私と同居することを面で認めた。
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活費の部を送すること、学の保護者対応は女である私が代すること。そうした取り決めを交わし、私はのを引いて、さな古いアパートへと引っ越したのだ。
法な親権者が父のままであったとしても、実質にの親代わりを務めてきたのは私だった。 だが、父は親戚たちに対し、まったく別の物語を語り継いでいた。 『真紀が勝にも妹を連れり、父親である俺から族を引き裂いた』のだと。
「……」 私は震えるで、の頬を伝う涙を指先で拭った。 「私、怖かったんだよ。あの、歳の私なんかがを引き取って、ちゃんと育てられるのかって。のを、私の未熟さでめちゃくちゃにしてしまうんじゃないかって、ずっと怖かった」
「めちゃくちゃなんかになってない!」 は叫ぶように遮った。 「私、お姉ちゃんのおかげで学にけた。お姉ちゃんが夜遅くまでミシンを踏んで作ってくれた巾着袋、今でも全部持ってる。お姉ちゃんがると怖かったし、限に厳しくて喧嘩したこともあったけど……私をにしなかったのは、お姉ちゃんだけだったよ」
の言葉が、私の胸の奥くに染み渡っていく。 の労働、報われない孤独、同世代の友たちが着飾って遊んでいた々の眩しさに押し潰されそうになった夜のすべてが、今、妹のこの言によって救われていくのをじていた。
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だが、現実は残酷だった。 部の扉がノックされ、プランナーが恐る恐る顔を覗かせた。
「あの……様がお見えです」
かれた扉から入ってきたのは、タキシードにを包んだ郎の悠さんだった。 公務員として働く悠さんは、普段は物静かで温な柄だが、その表は真剣そのものだった。彼は部に入るなり、泣き腫らしたと私の姿を見て、さく息を呑んだ。
「お姉さん、すみません。僕がもっとく気づくべきでした」
悠さんは私に向かってくをげた。
「悠さん、をげてください。あなたには関係のないことです」 「関係なくありません。ちゃんの結婚式は、僕の結婚式でもあります」
悠さんは顔をげ、の隣に並んだ。そして、の肩に優しくを置いた。
「さっき、式の支配から経緯を聞きました。お義父さんが昨、勝に席を変えさせたそうですね」 「悠さん……」 がおそるおそる夫を見つめる。 「お父さん、席を戻したら式にはないって。おも引き揚げるって言ってる。悠さんのお母さんや親戚のたちにも、迷惑がかかっちゃう……」
悠さんは、しも怯むことなく首を横に振った。
「ちゃん。僕たちの結婚式は、誰かの顔を伺うための試験じゃないよ。親戚や招待客の皆さんには、始が遅れることをきちんと説して僕が謝る。