"「2階は貸さない」と告げた母と、解約済みの息子夫婦" 第16話
40万円を超えた引っ越し費用
1031。
息子夫婦の引っ越しのだった。
私は約束どおり、朝から陽菜を預かった。
午9、陽菜がさなリュックを背負ってやって来た。
「おばあちゃん、おはよう」
私は玄関で迎えた。
「おはよう。今は忙しいでしょうから、ゆっくりしていきなさい」
陽菜は靴をそろえた。
「お父さんとお母さん、朝からずっと荷物を運んでる」
私は笑った。
「引っ越しは変だからね」
昼には、陽菜の好きな卵焼きとさなおにぎりを作った。
陽菜は台所の子へ座り、私が卵を溶く様子を見ていた。
「おばあちゃん、私もやっていい?」
私はボウルを渡した。
「いいわよ。こぼさないようにね」
陽菜は慎に箸をかした。
私は隣で、フライパンを温めた。
「おばあちゃん」
「何?」
「しい、より狭いんだって」
私はうなずいた。
「そう聞いているわ」
陽菜は卵を混ぜながら言った。
「でも、私の机は置けるようになったよ」
私は笑った。
「よかったね」
「お父さんとお母さんが、昨ずっと考えてた」
「そう」
「ベッドの向きを変えたら入るんだって」
私はした。
が話しい、自分たちで解決できたことがうれしかった。
午、陽菜と緒に宿題をした。
算数の問題を解き終えると、陽菜は私へノートを見せた。
「おばあちゃん、全部できたよ」
私は丸をつけた。
「よく頑張ったね」
夕方になり、隆之から連絡が入った。
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『荷物の搬入が終わった。迎えにく余裕がないから、悪いけど陽菜を連れてきてもらえる?』
私は刻を確認した。
まだ暗くなるだった。
『分かったわ。これからくね』
そう返事をした。
しいマンションは、うちからしれた宅にあった。
階段をがって部へ入ると、玄関から段ボール箱が見えた。
隆之は汗を拭いていた。
「母さん、助かったよ」
私はうなずいた。
「お疲れさま」
美穂さんは台所のくで、箱のを確認していた。
「お義母さん、ありがとうございました」
私は陽菜のリュックを渡した。
「宿題は終わっているわよ」
美穂さんはし笑った。
「助かります」
居の隅にさなテーブルが置かれ、そこへ帳がかれていた。
見積や領収が並んでいる。
私は何気なく目を向けた。
隆之が苦笑した。
「契約と引っ越しの費をまとめてたんだ」
美穂さんはため息をついた。
「賃を浮かせるつもりだったのに、かえって費が増えてしまいました」
隆之は子へ腰をろした。
「初期費用と引っ越し代をわせたら、40万円を超えたよ」
私は黙って聞いた。
美穂さんは帳の数字を指した。
「塾の回数を増やす分までは、しばらく回せそうにありません」
私は尋ねた。
「陽菜とは話したの?」
美穂さんはうなずいた。
「週4回に増やすのは、いったん見直そうとっています。
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塾にも相談しました」
陽菜は部の奥で、自分の机を見ていた。
私はその背を見つめた。
「焦らなくてもいいんじゃないかしら」
美穂さんはさくうなずいた。
隆之が帳を自分の方へ引き寄せた。
「俺も迎えにける曜を作るよ。部署で働き方を相談してみる」
私は息子を見た。
「そう」
隆之はし照れくさそうだった。
「毎じゃなくても、できることはあるから」
私はうなずいた。
「ええ。そのとおりだとう」
美穂さんは帳へ丸をつけ始めた。
曜。
曜。
曜。
迎えにけるを、2で確かめていた。
私は、その様子をしばらく見ていた。
族のことを、族自で考えている。
当たりのことだ。
けれど、それがようやく始まったようにえた。
帰り際、隆之が玄関まで送ってくれた。
「母さん」
私は振り返った。
「何?」
「悪かったな」
私はし驚いた。
隆之は続けた。
「母さんに聞くに、勝に決めて」
私はうなずいた。
「次からは、ちゃんと相談してね」
隆之はさく笑った。
「そうする」
私は靴を履いた。
玄関のへると、の夕方の空気がたかった。
私は振り返らず、ゆっくりへ帰った。