"末席の男が放った三百億の通告" 第22話
きっかり分だった。
はちがり、々と礼して応接をにした。
扉をる直、杉支が振り返り、涙を堪えるような声で言だけ残していった。
「堀社……私どもの支の員たちは皆、あさぎホールディングス様の物流を支えていることを、から誇りにっておりました。それだけは、どうかお伝えさせてください」
「……っていますよ。謝しています」
俺はそう答えた。それは、片の偽りのない本だった。
がった、テーブルのに置かれたつの湯呑みのお茶は、もつけられないままえ切っていた。苗が静かにそれを片付ける。
井がゆっくりとちがり、めたお茶をだけ喉に流し込んでから言った。
「……古川部は、すべてを正確に察していたな」
「何をだ?」
「社が、取個を私怨で責めているわけではないということをさ。あの男は、それを自分の目で確かめに来たんだ。……これで、本には寸分の狂いもなく正しく伝わる」
井はそれだけを言い残し、自へと戻っていった。
部に残った柴田が、帳をきながら言った。
「社。これで、週けの曜には、本のトップクラスが必ずきます」
「誰が来るとう?」
「久取ご本か、あるいは専務でしょう。理由のと、名刺の裏のき文字を見れば、担当者の謝罪で済む次元ではないことくらい、本の首脳陣なら即座に判断できます。
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……もしそれが判断できないような組織であれば、が社がこれまで百億円を預けていたこと自体が、完全な過ちだったということになります」
「王は、判断できるだよ」
俺がそう告げると、柴田は俺の顔をじっと見つめ、それ以は何も尋ねてこなかった。
、俺が頑なに資分散を拒んできた理由の輪郭を、柴田は静かに掴みかけているようだった。
そのも、話の着信は止まらなかった。
午で件、午で件。
苗が使用する記録用は枚目に突入し、彼女の元のボールペンはしいものに取り替えられていた。古川部が本に戻って報告を完したとわれる帯を境に、着信元の役職は課クラスから、本部各部の部、担当役員へとらかにねがっていった。
そして午分。
苗が、枚目の記録用の番のに指を添えながら、静かにドアをけた。
「社。百件目です」
「……どこからだ?」
「王、取秘様からです」
苗はメモを正確に読みげた。
「『週け曜の午、久取ご本が直接、堀社の元へお伺いしてお詫びを申しげたい。おを頂戴できるのであれば、取、法営業部、ならびにもう名の計名で参したい』とのことでした」
俺は帳の曜のスケジュール欄をいた。
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午の枠は、綺麗に空いていた。
「曜の午、本社でお待ちしていると伝えてくれ」
「かしこまりました。……社、先方の秘様には、折り返しの緊急連絡先として、私の公用携帯の番号を直接お伝えしておきました。秘同士でダイレクトにやり取りした方が、迅速かとじますので」
「助かるよ、苗さん」
百件目の話が、取秘からの直接の面談請だった。
午に理由を提してから、わずか分。柴田の見て通り、事態が現から本の最権力者の元へと駆けるのにしたは、それだけだった。
件の話が「解約の撤回と理由の説」を求める弁解の話であり、最の件だけが「過ちを認めて直接をげに来る」ための話だった。
苗が退した、俺はこの初めて、デスクのに伏せてあった私用のスマートフォンをに取った。
画面には、着信が件表示されていた。
関係の番号ではない。同窓会の幹事を務めた、松本の携帯話の番号だった。
俺はすぐに通話ボタンを押し、折り返しのコールを鳴らした。
ワンコールで、松本がた。
『……弘か。悪いな、仕事に』
「いや、ちょうど段落したところだ。どうした?」
松本は、受話器の向こうでく息を吐きした。
『……のことじゃないんだ。
昨のあれとは別に、ちょっとおに……確認してほしいもんがあってよ』