"義母を無償介護した3年、夫は私の名義で毎月15万円を受け取っていた" 第11話
それも、お義母さんからお遣いやお惣菜をもらって、数で帰っていましたよね」
「美保さん、あんたねえ! 妹の私に向かって何その言い!」
「事実でしょう?」
私は帳をき、あらかじめ付箋を貼っておいたページを指差した。
「お義母さんのノートにかれている、の。『自費専ヘルパーによる特別清拭・シーツ交換費 万千円』。理恵さん、あなたこの、母さんの座から臨で引きしてますよね」
「……っ!」
「この、私がどんな状態だったか、修平さんは覚えていますか?」
突然話を振られた夫が、ビクッと肩を震わせた。
「お、俺がるかよ……」
「るはずよね。私、から激しい腹部痛とをして、急性虫垂炎の疑いで自分の病院の救急来を受診したんだから。血球の数値がねがってて、当直のドクターから『今すぐ入院して抗剤の点滴をしなさい』ってく止められたよ」
義母の目が、見かれた。
「でも、私は入院を断って、痛み止めの座薬を入れて、うようにしてこのに戻ってきた。どうしてか分かる? 修平さんに話したら、『母さんが痢でシーツを汚した、俺には無理だからく帰ってこい』って鳴られたからよ」
昨のことのようにいせる。 腹部にる激痛にや汗を流しながら、悪臭のち込めるベッドで、汚れた義母の体を温かいタオルで拭き、シーツを抱えて浴で洗いした。
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あの、義母はベッドので何と言ったか。
『際が悪いね。護師のくせに、これっぽっちのことで顔を顰めて。いを払ってるんだから、もっとしっかりおやり』
あの言葉のが、経った今、ようやく完全に理解できた。 義母は、私が『特別当』として万千円を受け取ってシーツを洗っているとい込んでいたのだ。 そして、その万千円は、理恵の財布に入っていた。
「理恵さん。あなたが『専ヘルパーを配した』と偽って万を着していたその、その。汚染されたシーツをで洗っていたのは、座薬を入れて脂汗を流していた、私だったのよ」
私の言葉が落ちた瞬、リビングの空気が完全に破裂した。
「……理恵」
義母のから漏れたのは、く、うような呻き声だった。 それは、りというの枠を通り越し、自らの信じてきた世界が根底から崩壊したの、絶望の叫びだった。
「あんた……私を、騙していたのかい?」
「ち、違うのお母さん! 聞いて! 悪気はなかったの! 私だって、子どもの塾の費用とか、宅ローンのボーナス払いがきつくて……それに兄さんだって万貰ってたんだから、私だってしはお母さんの遺産をもって貰ってもいいじゃない!」
理恵は取り乱し、喚き散らしながら自爆した。 もって貰ってもいい。 その言が、すべてを物語っていた。
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「遺産……?」
義母の瞳から、が完全に消えた。
「私が……私がまだきて、こうして子に乗っているのに……あんたたちは、私の介護をダシにして、私のと貯を、分与のつもりで貪りっていたのかい……?」
義母の震えるが、胸元のカーディガンをく握りしめた。 過呼吸のような浅い息。 顔は青く、血圧の急昇が素目にもらかだった。
「お義母様、呼吸してください。落ち着いて」
渡辺さんが素く義母の背にを当て、脈を取る。 だが、義母はそのを振り払おうともせず、ただただ、に座り込んでを抱える修平と、真っ青になってち尽くす理恵を、濁った瞳で見つめ続けていた。
「修平……あんたもかい? 美保さんに渡すと言って、毎万……全部、あんたが懐に入れていたのかい?」
「母さん、それは……違うんだ、俺はの将来のために……」
「何が将来だ!!」
義母の絶叫が、狭いリビングに響き渡った。
半の麻痺を忘れ、義母は自由な体でテーブルを激しく叩いた。 湯呑みが倒れ、めた緑茶が目テーブルのに広がる。
「私はね! あんたたちに迷惑をかけたくないから、自分のと、お父さんが遺してくれた退職の座を理恵に預けていたんだよ! 『美保さんに苦労をかけるから、当をしてやってくれ』って、理恵に頼んだのは私なんだよ!」
義母の目から、粒の涙がボロボロとこぼれ落ちた。