"義母を無償介護した3年、夫は私の名義で毎月15万円を受け取っていた" 第6話
「はい、域包括支援センター、担当の渡辺です」
義母が脳梗塞で倒れて以来、ずっとケアプランを担当してくれているケアマネジャーの渡辺さんだった。
「お忙しいに申し訳ありません。です」
「あら、美保さん。お疲れ様です。どうされました? お義母様のデイサービスの件ですか?」
「いいえ。……私個の、引き継ぎのご連絡です」
瞬、話の向こうで息を呑む気配がした。 私はを極力削ぎ落とし、護サマリーを病棟へ申し送ると同じ、事実だけの平坦なトーンで告げた。
「本午、夜勤を終えて帰宅したところ、自宅の鍵が別のものに交換されておりました。義母と夫から締めされ、現、自宅に入ることができません」
「……えっ?」
「理由は、私が来から受講予定だった緩ケア研修に反対されたためです。義母のい向と、夫のによるものと確認しました。私は現、駅のビジネスホテルに滞しています」
受話器の奥で、が擦れる音が激しく鳴った。 渡辺さんの声から、いつもの柔らかなトーンが消え、専職としての緊張がるのが分かった。
「美保さん、それ……本気ですか? 鍵を変えられたって、警察には……」
「呼んでいません。ご所のもありますし、何より、義母の血圧を考えました。夫と義妹の理恵さんがにいることを確認して脱しましたので、齢者の放置には当たりません」
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「ご主が……でも、お義母様のインスリン注射の見守りや、朝の排泄介助は……」
「それを、お伝えしたくてお話しました」
私は元の黒い帳をいた。
「義母の内薬は包化されていますが、圧剤と抗血板薬は朝、血糖薬は朝夕の直です。半麻痺があるため、ポータブルトイレへの移乗は必ず側から支えてください。尿取りパッドは昼用が4回吸収、夜用は8回吸収を充てています。これらはすべて、ダイニングの連絡ノートの最初のページに記してあります」
「美保さん、待ってください。それでは、今夜からの介護は……」
「実の子である修平さんと理恵さんに、すべて引き継ぎます」
私の言葉に、渡辺さんは絶句した。 無理もない。 この、ケアプランの作成会議(担当者会議)に席していたのは、実子である夫でも義妹でもなく、常に嫁である私だったのだから。
「渡辺さん。私はこれまで、族としての好で宅ケアを担ってきました。ですが、鍵を取り替えられ、居から排除された以、私がこれ以関与することは居侵入等のトラブルを招く恐れがあります。今は、キーパーソンを夫の修平さんに変更してください」
「……分かりました。事態の刻さは理解しました。すぐにこちらからもご主に連絡を入れ、お義母様の全確認をいます」
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「助かります。それから、もう点だけ確認させてください」
私はベッドののスマホに目を落とした。 理恵から送られてきた、あの黒塗りの送細。
「義母のケアプランにおいて、公な介護保険サービス以に、自費の訪問介護や民ヘルパーを契約・利用している記録はありますでしょうか」
「……はい? 自費サービスですか?」
渡辺さんは底いぶかしげな声をげた。
「いえ、ありませんよ。様のプランは、週回のデイサービスと、週回の訪問護のみです。限度額の範囲内で収まるよう組んでいます。民サービスを利用されている形跡はありませんが……どうしてですか?」
やっぱり。 喉の奥に、苦いものがこみげてきた。
「……確認したかっただけです。急なご連絡で申し訳ありませんでした。今の状況は、メールでも送らせていただきます」
話を切ると、部のに苦しい静寂が戻ってきた。 公な記録には、自費サービスなども形もない。 それなのに、理恵の座には、毎万円が入されていた。
その、ホテルの部の壁を震わせるように、スマホが狂ったように振し始めた。
画面にる文字は【夫】。
通話ボタンをスライドさせた瞬、スピーカーから号がび込んできた。
「美保!! お、渡辺さんに何吹き込んだんだよ!!」
受話器をからしした。
修平の呼吸は荒く、背景からは義母の甲いヒステリックな声が漏れ聞こえていた。