"百日祝いを門前払いされた娘に、24年後届いた祖母の手紙" 第16話
「おい、修司! どういうことだ!? 灯ちゃんはい血液のがんで、休職して自費治療を受けていると……お、そう言ってを求したんじゃないのか!?」
「お、叔父さん、違います! これは母方の……美紀の差しです! あいつが灯を洗脳して、俺たちを陥れようと――」
「母は関係ありません」
私は父の声をたく遮り、枚目の類を広げた。
それは、節子叔母さんから提供された『灯ちゃんを救う支援のお願い』の文面と、祖母から届いた認親ののコピーだった。
「この支援の趣。そして、祖母が私に送ってきた。どちらも、独特の言い回しや改の癖が完全に致しています。いたのは祖母ではありません」
私の線が、青ざめて固まっている悠を射抜いた。
「悠。あなたがいたんでしょう?」
悠の肩がビクッとね、スマートフォンをに取り落としそうになった。
「な、何言ってんだよ! 俺は関係ねえよ!」
「関係ない? あなた、私に言いましたよね。『fxと事業投資で百万の穴をけた。親父が灯の名を使えばいくらでも引っ張れると言った』って」
「おい! 悠!」
叔父が鳴り声をげた。 広のが気に騒然となる。
「やめなさい!」
突然、切り声が響いた。 のちゃんちゃんこを着た祖母が、顔を真っ赤にしてちがっていた。
「灯ちゃん、なんて恩らずなことを言うの! 今は私ののお祝いなのよ! 親戚が集まるれの席で、父親と弟を侮辱するなんて……! 育ててくれた佐久のに、しは謝の気持ちを持てないの!?」
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祖母は激しく肩で息をしながら、私を睨みつけた。 その顔には、、母をたく払いしたの傲さがまざまざと蘇っていた。
「佐久のが、私を育てた……?」
私はたく笑った。 そして、鞄から最の切り札を取りした。
判に引き伸ばした、枚のカラー写真。 それを、祖母の目のの座卓に、叩きつけるように置いた。
「おばあちゃん。これが、あなたの言う『佐久のの』ですか?」
広が、静まり返った。
座卓のに並べられた、枚の写真。
側は、祖母が私に送ってきた、族全員に囲まれた私のおい初めの写真。 側は、悠のアルバムから複写した、〇〇の悠のおい初めの写真。
背景の座敷、のの掛け軸、箔の屏。 周囲を囲む親戚たちの装、座っている位置、笑顔の角度。 すべてが、寸分違わず同じだった。
唯違うのは、央に座る母子の姿だけ。
「……これ、は……」
節子叔母さんが息を呑み、写真を指差した。
「悠君のおい初めの写真じゃない……。どうして、灯ちゃんの写真と背景が全く同じなの……?」
「成だからです」
私の声が、ナイフのように静寂を切り裂いた。
「の初、私の百祝いの。母は朝くから料理を作り、私を抱いて実のを叩きました。けれど、おばあちゃんは母をに入れず、払いしたんです。『女児の祝いくらいで騒ぐな』と言い捨てて」
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親戚たちの線が、斉に祖母へと突き刺さった。
「母はアパートに戻り、え切った料理ので、叔母に写真を撮ってもらいました。父はからその写真を枚だけ持ちし、翌にまれた悠の祝いの席の写真に、私とお母さんを切り貼りしたんです」
「違う! それは……記にだな!」
父が声を荒らげて弁しようとするが、その額からは滝のような脂汗が流れ落ちていた。
「親戚の、男の娘を祝わなかったとられたら聞が悪いから、俺が気を利かせて……!」
「聞のために、嘘をついたんですか?」
襖が、静かにいた。
澄んだ、凛とした声が響いた。
振り返ると、そこには母――川美紀がっていた。 背筋をピンと伸ばし、落ち着いたグレーのスーツにを包んだ母。 そしてその隣には、黒い革のブリーフケースを持った、弁護士の先の姿があった。
「……美紀!?」
父がずさりし、畳ので腰を抜かしかけた。 祖母も幽霊を見たかのように目を見き、をパクパクとかしている。
「お邪魔いたします」
先が礼し、ゆっくりと広の央へ歩みた。
「川灯さん、ならびに川美紀さんの代理を務めております、弁護士のと申します。本は親族の皆様に、法に極めてなご報告があり、伺いました」