"ローンを完済した私に、義母は「家なら売った」と言った" 第16話
「お、……どうやって……」
「庭裁判所と弁護士の権限を舐めないで。あなたがかけて隠してきた棒の分けは、全部筒抜けよ。お義母さんからピンハネした百万円もね」
「澄子……!」
夫は突然、ソファから滑り落ちるようにしてに両をついた。 座だった。 の結婚活で、私を度たりとも対等なとして扱わなかった男が、フローリングに額を擦り付けていた。
「悪かった! 俺が悪かった! 全部誤解なんだ!」
「誤解?」
「ああ! 俺は……俺はただ、族の将来のために資産を運用しようとってたんだ! 会社のもあって、し魔が差しただけなんだよ! 織のマンションだって、将来に転売して利益をすための投資だったんだ!」
見苦しい。 吐き気がするほど見苦しかった。
「澄子、やり直そう! 婚の話は全部だ! 俺たち、も緒にやってきたじゃないか! あのも、全部おに渡す! 母さんの面倒も、俺がちゃんと見るから! だから……訴訟だけは取りげてくれ! 会社にられたら、俺は本当に終わりなんだよ!」
夫はいつくばるようにして私の元にすがりつこうとした。 私はややかに歩がり、そのを避けた。
「やり直す?」
私の声は、氷のようにたかった。
「彦さん。じゃあ答えてよ」
夫が怯えたように顔をげた。
「もし族のためだったなら、どうして先週、私に『最の万円を忘れずに振り込め』って催促したの?」
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「そ、それは……」
「どうしてに届いていた退通を、私に隠していたの?」
「……っ」
「どうして、別の女のために当たりのいいマンションを用しながら、私には期限切れの借で、壊れかけの蔵庫を使わせ続けたの?」
夫はをパクパクとかすだけで、何つ答えられなかった。 脂汗が額からボタボタとに落ち、さなたまりを作っていく。
その、リビングのテーブルので、夫のスマートフォンがけたたましく震えた。
ブブブ、ブブブ、と無質なバイブレーション。 画面に表示された文字を、私はから酷に見ろした。
送信者:浦織。
『先ほど、弁護士に委任しました。今夜、あなたの荷物はすべてエントランスのコンシェルジュに預けました。オートロックの暗証番号も変更しましたので、度と私の部に来ないでください。今の清算については、すべて私の代理を通じています』
画面のが、静かに消えた。
夫は絶望に目を見き、スマートフォンので完全に凍りついていた。 若いにすがりつき、妻を捨て、母親を騙してに入れようとした「輝かしい活」が、今、完全に音をてて崩壊した瞬だった。
そして、決着のは、弁護士事務所の会議へと移された。
方形のテーブルの向かい側に座る夫は、週で見違えるほど老け込んでいた。
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無精髭が伸び、スーツの肩にはフケが落ち、線は宙を彷徨っている。 隣には、夫が渋々雇った若い国選がりの弁護士が、気まずそうに類を抱えて座っていた。
私の隣には、頼もしいが代理。
「さて、岸本彦さん」 私の弁護士が、静かにを切った。
「回のデタラメな財産目録は、すべて撤回していただきます。こちらで把握している旧宅の売却純利益、千百万円の分配について、最終な協議に入りましょう」
夫は力なく俯いたまま、絞りすような声で呟いた。
「……もう、なんてないんだ。信託の百万だって、これからの活費や引っ越し代で消える。織に渡した千百万だって、あいつの名義なんだから俺にはどうしようもない……俺は文無しだ」
まだ、そんな寝言を言っているのか。 夫の弁護士すら、困惑したように額を押さえている。
私は元の資料をめくり、へ押しした。
「彦さん。私はね、鬼じゃありません」
夫が怪訝そうに顔をげた。
「過の賃……万千円のうち、私が毎払っていた万円について、過に遡って全額返還しろとは言いません。私は現にあのにみ、をしのいでいた。その分の居利益があったことは、公平に認めます」
私の弁護士が頷いた。 論で過な請求をふっかければ、調や裁判が引き、かえって回収が遅れる。
正当な居費相当額を認めることで、裁判官に対するこちらの証は「極めて誠実で客観」