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"十二年育てた姪に「人生を奪われた」と告発された" 第12話

たく乾いた皮膚。 あの子を育てるために費やしたの染みついた、印刷インクの落ちない爪先。

「これをネットに流したら……」 結の瞳から、粒の涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。 りではなく、い絶望のだった。

「歳の私が、全国のに晒し者になるだけじゃない……! 『母親の結婚式で姪のふりをさせられたな子ども』って、今度は別の見世物にされるだけでしょ!?」

奥歯が、ギリと音をてた。

「お母さんは、自分の体裁を守るために私を姪にした。……おばさんは、自分の無実を証するために、その傷を世にぶちまけようとしてる。とも、同じじゃない!」

結の叫びが、私の胸の央を真っ直ぐに刺し貫いた。

喉の奥が、焼けるようにい。 私は、姉への復讐に目が眩んでいた。 理尽に奪われ、SNSで悪者に仕てげられた屈辱をらすためなら、このUSBメモリが最の武器になるとい込んでいた。 だが、その武器の引きを引けば、吹きぶのは姉の世体だけではない。 歳のに刻まれた結の屈辱を、再びネットの玩具にするだけだったのだ。

私がやろうとしていたことは、あの子をすることでも守ることでもない。 ただの、醜い保だった。

私はゆっくりと、座卓のにを伸ばした。 結の張った指先に触れないよう、慎に、黒いUSBメモリを自分の元へと引き戻す。

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「紗……!」 姉が、すがるような目で私を見た。 「それ……本当に、さないわよね? したら、私のサロンの信用が全部――」

「玲子」 私は姉の言葉を遮った。 度も顔をげず、平坦な声で言い放つ。

「この子は、あなたのアクセサリーじゃない」

私は元のノートパソコンをき、USBメモリを差し込んだ。 画面に表示された画ファイル。 いウェディングドレスを着た姉と、親族席で俯く歳の結の姿。 私はマウスを握り、躊躇なく、クリックから「完全に削除」を選択した。

確認のダイアログ。 『このファイルを完全に削除しますか?』 エンターキーを、く叩いた。

画面から、ファイルが消えた。 同に、私の元にあった「姉を叩き潰すための唯の証拠」も、度と戻らない虚空へと消えった。

姉の喉から、さく堵の息が漏れた。 その浅ましい堵の表を見て、結がたく吐き捨てた。

「お母さん」 結は、涙を拭いもせずにちがった。 「あのインタビュー、断って。今すぐ、ライターに連絡して」

「結、でも違約が――」

「断らないなら、私が直接そのメディアに連絡する。お母さんがからこの企画をめてたこと、全部話す。……選んで」

姉は、反論の言葉を喉の奥で詰まらせた。 歳になった実の娘の、切のを交えない徹な線に、ただ圧倒されていた。 優雅な美容サロンの顧客管理責任者という仮面は、完全に剥ぎ取られ、そこにはただの、保に怯える代の女がち尽くしていた。

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そのの夜、川越のは、再び底えする静寂に包まれた。

結は古田の友の部に戻り、姉は青のマンションへ逃げるように帰っていった。 私は、居の座卓に向かい、温め直した番茶を啜っていた。

机のに置いたスマートフォンが、微かに震える。 Threadsの通音。 くと、結のアカウントから、文の投稿が更されていた。

『先の投稿について、事実関係を訂正します。 おばが私のLINEを使って母からの同居提案を勝に断り、を隠していたことは事実です。 しかし、にわたり、母からの仕送りだけでなく、おば自の料からも私の教育資が毎積みてられていたこと、そして母の再婚に私が親族席で「姪」として扱われていたことなど、私自がらなかったくの事実がありました。 おばが私をい物にしていたという表現は誤りであり、方な報だけで悪を決めつけ、公ので攻撃したことをく謝罪します。 また、予定されていたメディアの取材はすべて辞退しました。 族の問題は、これ以ネットで公しません』

画面をスクロールする。 コメント欄には、のひらを返したような罵声が並んでいた。

『結局、自作自演?』 『おばさんに脅されてかされたんじゃないの』 『どっちもどっち。胸糞悪い庭の暴話に付きわされただけだった』 『振り回されたフォロワーのにもなれよ』

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