"十二年育てた姪に「人生を奪われた」と告発された" 第11話
空気が凍りついた。 、こので度も声をしたことのなかった私が、こんな声をすとはっていなかったのだろう。 母がを鳴らそうとしたが、私の線に射すくめられて、を閉じた。
「まず、おばさん」 私は紗をまっすぐに見つめた。 叔母の肩が、びくりとねる。
「歳の休みのこと。あのLINEを送ったのはおばさんだよね。を隠したのも、おばさんだよね」
叔母は、震える唇をいた。 線をに落としながら、絞りすように言う。
「……そうよ。全部、私がやった」
「どうして?」
「……結が、京にってしまうのが怖かった。玲子のところへって、そのまま戻ってこなくなるのが耐えられなかった。……歳のから、私のの真んには結しかいなかったから。奪われるのが、怖かったの」
言い訳はなかった。 「あなたのためをって」という言葉もなかった。 ただ、醜い独占欲を、そのまま差ししてきた。
私はノートにペンをらせ、さく息を吐いた。 そして、顔をげ、母を見た。
「次は、お母さん」
母の眉がつりがる。 「何よ。私は被害者よ。あの子が勝に私のLINEを拒絶して――」
「じゃあ、なんで確かめなかったの?」
母の言葉が、ぴたりと止まった。
「歳の休み、娘から『京にはきたくない』ってLINEが届いたんだよね」 私は歩も引かずに、母の目を睨みつけた。 「なんで、話を本もかけてこなかったの? 学に話することもできたよね。
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川越のに来て、『結、本当にそうなの?』って私の顔を見て確認することもできたよね。……なんで、たった通のLINEで諦めたの?」
母の線が泳いだ。 爪の先を擦りわせ、線を襖の隅へと逸らす。
「それは……あなたが傷つくとったからよ。親に向かって拒絶の言葉を吐くなんて、よほどの決だとったから……」
「嘘ばっかり」 い声が、横から響いた。
叔母だった。 紗が、ゆっくりと顔をげていた。 その瞳には、先ほどまでの怯えではなく、え切った軽蔑のが宿っていた。
「あなた、あの、ホッとしたんじゃないの? 玲子」
「な……何言ってるのよ!」
「当の旦さんと、婚調の直だったでしょう」 叔母の言葉が、刃物のように母に突き刺さる。 「結を引き取るなんて言ったら、財産分与で揉めるから。あのLINEが届いた、あなたは結を諦めたんじゃない。『結が来ない理由』ができて、胸を撫でろしたのよ。だから度も話してこなかった!」
「黙りなさい!」 母がちがり、座卓をく叩いた。 「あんたに私の何が分かるのよ! あんな男と暮らして、毎胃を痛めて、それでも結のために仕送りだけは欠かさなかった私に、何の文句があるっていうの!」
「文句じゃない、事実よ」 叔母はちがらなかった。 ただ、座ったまま、懐からつのさな黒い物体を取りした。
親指ほどのきさの、黒いUSBメモリ。
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それを、座卓の目のに、ことりと置いた。
母の顔から、さっと血の気が引いた。
「……何よ、それ」
「歳のの、結婚式のビデオよ」 叔母の声は、恐ろしいほど静かだった。 「式のカメラマンが撮った、ノーカットの記録。あなたが親族席の結に向かって、『今だけは、絶対に私のことをお母さんって呼ばないでね』って言い含めている声が、全部入ってる」
母の息が止まる。
「あなたのサロンのオーナーに見せましょうか? 今度のインタビュー記事のライターに、これを持ち込んでもいいのよ。『本当の絆』なんて嘘っぱちを暴くために」
叔母のが、USBメモリをに押しした。 母を社会に破滅させるための、決定な証拠。 叔母の目が、復讐のでぎらついていた。
その瞬。
「やめて!」
私は叫びながら、座卓のにを乗りした。 自分のを、その黒いUSBメモリのに、力任せに叩きつけた。
プラスチックの角がのひらにい込み、激痛がる。 私の指の関節が、く張っていた。
結ののひらが、座卓のの黒いUSBメモリを力任せに押さえつけていた。 プラスチックの角がい皮膚にい込み、指の関節がく張っている。
「やめてよ……!」 喉が裂けるような叫びだった。
川越の古い居に、あの子の荒い呼吸だけが響く。 姉――瀬玲子は、壁際にずさりしたまま、唇を刻みに震わせていた。
私は、座卓に置いた自分の指先を見つめた。