"十二年育てた姪に「人生を奪われた」と告発された" 第5話
ページの部に、結のコメント定として、いくつかの文案がかれていた。
『叔母の元にいた頃は、ずっと母親に捨てられたと怯えていました。すべて叔母の嘘だったとった、目のが真っ暗になりました』
背筋に、たいものがった。 ……私、こんなこと、言も言ってない。
叔母がを隠していたのは事実だし、勝に私のLINEを使って断ったことも許せない。 でも、こんな劇な台を、自分のから吐きした覚えはなかった。
「お母さん、これ……まだ取材受けるって決めたわけじゃ――」 「丈夫よ、私が全部チェックするから」 母は私の言葉を遮り、優しく微笑んだ。 「取材用の写真が必なの。結、さい頃のいの品とか、私の昔の写真、リビングの棚の奥からしてきてくれない? 番の引きしに入ってるはずだから」
母はそう言い残して、サロンの顧客からの話にるため、バルコニーへとてった。
リビングに残された。 胸の奥に、ざらりとした砂が擦れうような違が残る。 言われるまま、テレビボードの側にあるい引きしをけた。
然と並べられた類ファイルと、革張りのアルバム。 に取ったのは、ひときわ分い、純のハードカバーだった。 表にの箔押しで、英語の文字。 『Wedding Reception』
の付。 母が、度目の結婚をしたの、結婚式のアルバムだった。
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母が再婚していたことはっていた。 私が歳の。 相はIT関係の会社役員で、その結婚はほどで終わったと聞いている。 川越の叔母に連れられて、都内の式にった記憶が、かすかにある。
いページをめくった。 級ホテルのチャペル。 純のウェディングドレスを着た母は、女優のように美しかった。 隣には、仕ての良いタキシードを着た見らぬ男性。
フラワーシャワー、披宴の乾杯、巨なウェディングケーキ。 華やかな写真が続く。 ページをめくる指が、親族紹介の集写真で止まった。
最列の端。 自然なほど固い表でっている、喪のような濃紺のワンピースを着た歳の私。 隣には、眉をひそめて私の肩を抱いている、川越の叔母。
写真のに、参列者の名と続柄が、さなの朝体で印刷されていた。
郎親族。 婦親族。
叔母の名の横には「婦の妹・野紗」。 そして、私の名の横には――。
『婦の姪・結ちゃん(11歳)』
息が止まった。
……姪? 私が?
指先が凍りついたようにかない。 文字を何度もなぞる。 何度見直しても、印刷されたインクの文字は変わらなかった。 『婦の姪』
の奥で、カチリと音がした。 歳のの記憶が、濁流のように脳裏に溢れす。
川越のの玄関。 叔母が、私のワンピースの襟元を何度も直し、きつく結んだ髪を撫でながら、異様なほど真剣な顔で言った言葉。
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「結、よく聞いて。今の会では、絶対に玲子のことを『お母さん』って呼んじゃダメよ」
「……どうして? お母さんなのに」
「玲子さんって呼びなさい。あっちの親戚のに何か聞かれたら、『川越から来ました』とだけ言えばいいの。いいわね? 絶対に約束して」
あのの私は、理由が分からなかった。 の事、結婚式のマナー、そんなものだとってみ込んだ。 披宴の最、くの砂でシャンパングラスを掲げて笑う母に、度も駆け寄ることができなかった。 叔母の隣で、いパンをもそもそと噛みながら、く川越に帰りたいとばかりっていた。
あの、私を「姪」にしたのは、誰だったのか。
「結? 写真、見つかった?」 バルコニーから、話を終えた母が戻ってきた。 洗練された笑顔。 入れのき届いた肌。
私は、いたアルバムをカウンターのに置いた。 震える指で、そのを指差した。
「……これ、何?」
母の線が、アルバムに落ちた。 瞬だけ、完璧な笑顔の輪郭が固まる。 目元がわずかに引きつり、すぐに線を逸らした。
「ああ、それ……昔のね」
「私、お母さんの子どもだよね? なんで『姪』になってるの?」 声が裏返った。 臓が、肋骨を内側から激しく叩きつける。
「なんで歳の私に、『お母さんって呼ぶな』って言ったの? 叔母さんに言われたから、叔母さんが悪でそうさせたんだとってた。
でも違うよね? この席次表作ったの、お母さんたちだよね?」