"午前二時、ホテルから部屋を替われと言われた" 第14話
野さんご本にも、事実関係のみをすでにお伝えしております」
「真さんに……?」
「はい。野さんは、非常にいショックを受けていらっしゃいます。『自分のせいで理さんが危険に晒されている』と、激しく取り乱しておいででした」
「そんな……」
私はかぶりを振った。
「真さんのせいじゃありません。あの男が狂っているだけです。真さんには、絶対に余計な責任をじないように伝えてください。私は丈夫ですから」
「宮本様」
神相談員の声が、静かに、しかし断固とした響きを帯びた。
「野さんから、もし宮本様から連絡があったら、どうしても直接話がしたいと、く請されております。……本来の支援規定からはれる続きですが、これ以あなたにリスクが集するのを防ぐため、こちらの全な回線を経由して、野さんとお繋ぎしてもよろしいでしょうか」
臓がねがった。
ぶりの、真との会話。
逃の、品川駅の幹線改札ので、「理さん、ありがとう。私、絶対にき直すから」と泣きながらを振った彼女の姿が、鮮やかに脳裏をよぎった。
「……お願いします。繋いでください」
話が保留音に切り替わった。プツッという切り替え音が何度か鳴り、ノイズ混じりの別回線へと接続された。
荒い息遣いが聞こえてきた。
そして、泣き腫らしたような、掠れた声が響いた。
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「……理さん?」
「真さん」
その名をにした瞬、張り詰めていた私の目から、いものがこぼれ落ちた。
「理さん、ごめんなさい……! 本当にごめんなさい……!」
受話器の向こうで、真はしゃくりげていた。
「ニュース……警察から聞いて、私、血の気が引いて……あのが、理さんの部に入ったって……どうして、どうして理さんがそんな目に遭わなきゃいけないの……!」
「泣かないで、真さん。私は無事だから。怪もしていないし、こうして会社の全な所にいるから」
「嘘よ……無事なわけないじゃない! あの部に入ってきたんでしょう!? あの、理さんの枕元までったんでしょう!?」
真の叫びには、藤原という男の態を骨の髄までり尽くしている特の、底れない恐怖が張り付いていた。
「あのはね、絶対に諦めないの……! 自分が欲しいものをに入れるまで、相が壊れるまで、絶対にやめないのよ! 理さん、あの、鏡をケースにしまったんでしょう? 警察から聞いたわ……」
「ええ……」
「あれ、私にもやったの」
真の声が、恐怖で細く引き裂かれた。
「逃げるのの、私が実の母に相談しようとして、隠れて公衆話から話をかけたことがあったの。戻ってきたら、私がベッドのの隙に隠しておいた母のがね……机の真んに、綺麗にアイロンをかけられて置かれていたのよ」
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背筋に、氷を流し込まれたような覚がった。
「あのは何も言わなかった。のことなんて言も触れずに、そのの夜も普通に夕飯を作って、笑顔で『今はお鍋にしようか』って言ったの。……あのはね、暴力で脅すんじゃないの。『おが隠していることは全部見えている』『おにはプライベートなんてしない』っていうことを、活の隙に侵入して、無言で分からせようとするのよ!」
言葉がなかった。
洗面台に置かれていた、完全に閉じられた鏡ケース。
あれは、単なる悪戯でも、確認の印でもなかった。
『おの界も、おの眠りも、おの空も、すべて私の支配にある』という、藤原からの無言の調教だったのだ。
「真さん……」
「理さん、私、警察にく」
真が、涙声のまま、しかし信じられないほど力い声で言った。
「もう、隠れて逃げ回るのはやめる。弁護士の先と緒に、警庁にって、これまでのストーカー被害と監の記録を全部提するわ。裁判所にも、接禁止命令の申してを今にう。私が矢面につ。あのが欲しいのは私なんだから、私が表にれば、理さんへの執着はれるはずよ」
「駄目よ!」
私は反射に叫んでいた。
「絶対に駄目! そんなことをしたら、あなたが必で築きげてきた全な活が、全部壊れてしまう! あの男のう壺よ!」
「じゃあ、理さんはどうなるの!?」
真の声が裏返った。