"娘を救った担任に、娘が叫んだ「信じるな」" 第11話
それでも、私の体には、そうすること以の能が残されていなかった。
「申し訳ありませんでした……本当に、申し訳ありませんでした……」
額に、たい砂利がい込む。 背に、父親の激しい舌打ちと、母親のすすり泣きが突き刺さる。
「……警察と弁護士に相談します。あなたたちの顔なんて、度と見たくない」
音がっていった。 い鉄の扉が閉まる音。 え切った廊に、私がいつくばったまま残された。
もう、に任せていてはならない。 正義を振りかざす母親など、ただの加害者に過ぎない。 私はちがり、で汚れた額を袖で拭った。
正午。 私は、駅の古い雑居ビルのにいた。
「子どもの権利と教育問題」を専に扱う、弁護士の田先の事務所だった。 髪交じりの髪に、飾りのない縁鏡。 デスクのには、学事故やいじめ問題に関する分い判例集が然と積まれていた。
私は、昨夜ネットに拡散された画像、さんの事件、そして藤原先が結にかせた付箋のコピーを、すべて机のに並べた。 自分の勝なが引き起こした次被害についても、包み隠さず話した。
田弁護士は、切私の話を遮ることなく、黒いボールペンで淡々とノートに記録を取り続けた。
「……さん」
類から目をげ、田弁護士は静かに言った。
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「厳しいことを申しげますが、あなたが保護者仲にメモを見せた為は、な過失です。さん側からプライバシー侵害で民事提訴されれば、勝ち目はありませんよ」
「……覚悟しています。どんな賠償でも、刑事罰でも受けるつもりです」
「ですが」
田弁護士は鏡のブリッジを押しげた。
「あなたが罪を背負うことと、学側、特に藤原教諭の責任が免責されることは全く別の問題です」
「学は……教も藤原先も、完全に事実を否定しています。付箋も偽造だと」
「ええ、組織とはそういうものです。噂話やのぶつかりいで戦っても、あなたが孤して終わるだけです。公教育のにおいて相をかすのは、制度と、かしようのない客観記録だけです」
田弁護士はちがり、背の棚から枚の申請類を取りした。
「藤原教諭は、結さんが方になっていた、『決定な目撃報を警察に提供した功労者』として表彰されましたね」
「はい……体育館で、から束を渡されていました」
「そこが、最の急所です」
田弁護士の細い目が、鋭くった。
「結さんが保護されたのは失踪目の夕方。しかし、あなたが確認したSuicaの履歴では、失踪目の午に、鹿沼駅の公衆話が使われている。警察の捜査報告と、学側の事故対応記録。
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これらを報公請求と弁護士照会で引きします」
「公衆話の……記録?」
「そうです。誰にかけたのか。そして、受取は何を隠したのか。通信会社への照会は、すでに警察の捜査線で部記録されているはずです」
田弁護士は机を指先でトントンと叩いた。
「教育委員会に、事態の再調査申してをいます。戦う所を変えましょう。ネットの掲示板でも、保護者の井戸端会議でもなく——公な調査のへ引きずりすんです」
。 教育委員会の指導課、第会議。
ブラインドの隙から差し込むが、テーブルの央に落ちていた。 部の空気は、エアコンので気なほどえ切っていた。
座には、教育委員会の指導主事名。 側には、学のと教、そして藤原先。 側に、私と田弁護士が座っていた。
藤原先は、今も完璧だった。 黒いシンプルなワンピースに、控えめな真珠のピアス。 元のメモ帳に線を落とし、痛な表でさく息を吐いている。
「本はお忙しい、お集まりいただきありがとうございます」
指導主事が形式な挨拶を述べた、が々しくをいた。
「まず、さんの件、そしてネットでの適切な報流について、学としてもく遺憾にっております。……しかしさん。
ご庭での指導力や、結さんの緒定なを、これ以学の責任に転嫁されるのは、いささか筋が違うのではないでしょうか」