みかん小説
本棚

"5年付き合った社長に退職届を出した日、私だけが知らなかったこと" 第6話

待っているとっていた

相原怜司が真由の発言の全容をったのは、会議を終えたあとだった。

秘が社員から届いた報告をまとめ、彼のに置いた。彩乃から代理を通じて異議がていることも、そこに記されていた。

「事は、裏付けをしていますか」

怜司が尋ねると、秘は首を振った。

「現点で、法務に提された資料はありません。監査部も、確認済みだと言うことを否定しています」

怜司は類を伏せた。

個別の説を受けるために事部へ連絡しても、真由は調査済みだと繰り返した。付や担当者を尋ねると、返事が曖昧になった。

彼は通話を終え、法務へ連絡した。彩乃の話を切るに、同じ確認をすべきだった。

「全社通を撤回して。未確認の話を拡散しないよう、全社員に伝えてほしい。調査は部も入れる。事部は、この件の窓からす」

秘は頷いた。

「それと、彩乃に連絡を……」

「代理を通すよう指定されています」

彼は携帯話を見た。話はつながらず、メッセージの返事もなかった。

自宅の事代担当から、カードと鍵の入った封筒があったと報告が来た。

私物もなくなっているという。

怜司は帰国便を調べるよう指示した。

秘が予定を確認した。

「そのは、桐島部の誕ですが……」

怜司は顔をげた。

「なぜ、それが先にるんですか」

広告

秘はを閉じた。

何も、真由の希望を断らずにいた。贈り物の配も、彼女が秘へ頼めば通っていた。その積みねが、誰を切にしているのかを、彼の言葉より雄弁に伝えていた。

怜司は、そこでようやく気づいた。

い便を取っても、すぐには本へ戻れなかった。

彩乃は、待っているものだとっていた。数、数あとに話せば、落ち着いて聞くだろうと。

にいることを確かめる話さえ、かけていなかった。

帰国、彼は以彩乃がんでいたマンションへ向かうよう、運転に伝えた。

内で眠れず、へ乗ると目を閉じた。

呼び掛けられて顔をげると、窓のにはと照が見えた。レストランの貸切スペースに、会社で見た顔が並んでいた。

「ここは?」

運転が振り返った。

「桐島部から、どうしてもこちらへと。先ほど連絡がありまして」

「私は、き先を伝えたはずです」

運転は俯いた。

の脇へ真由が来た。華やかなドレスを着て、束を抱えていた。

「怜司、しだけ。みんなも待ってるの」

彼は窓をげた。

「何をしているんですか」

真由は周りを見た。

「私から、話したいことがあるの。ここで帰られたら、私……」

社員が携帯話を構えていた。秘の調査も始まっているのに、真由は何も変わっていなかった。

怜司はをりた。

真由が図をすると、画面にの若いころの写真が映った。

広告

拍が起こった。

「昔は、私もを張っていたの」

真由の声が、マイクを通して響いた。

「でも、怜司はずっと私を支えてくれた。婚して、ようやくわかったの。私の帰るところは、あなたの隣なんだって」

彼女はを差しした。

「もう待たせない。私、あなたと結婚したい」

怜司はにを伸ばさなかった。

拍が途切れた。誰かの携帯話から、録画を始める音がした。

「撮はやめてください」

彼は周囲へ言った。

真由のが、を差ししたまま止まった。

「怜司?」

彼は彼女を見た。

「私は、あなたに結婚を申し込んだことはありません」

真由は笑いかけ、失敗した。

「そんな言い方……」

「彩乃さんへの虚偽の説についても、調査が始まっています。お祝いのを作れば、話が変わるわけではありません」

社員たちのを、い声が広がった。

真由はマイクをろした。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: