"5年付き合った社長に退職届を出した日、私だけが知らなかったこと" 第4話
分が、スーツケースに入った
怜司のが見えなくなると、私はへ入った。
玄関の広さも、静かな廊も、昨までと同じだった。ここで暮らしている自分を、もううまく像できなかった。
寝の収納をけ、スーツケースをした。
自分で買った、本、仕事に使う物。彼にもらったものと分けると、持っていくものはったよりなかった。
計を見て、川理に話した。
以、私が担当した取引先の経営者だった。独して独の企業を支援する会社を始めると、1から誘われていた。
「相原グループで、今のままずっと働きたい?」
そのときは、返事を濁した。怜司かられることを考えられなかったからだった。
今回は、私から答えた。
「緒に働かせてください」
理さんはし黙り、それから言った。
「気持ちは嬉しい。でも、何があった?」
私は必なことを話した。評価のこと、退職のこと、弁護士に相談していること。
彼女は途で慰めようとしなかった。
「仕事の話として、条件を確認しましょう。与も、役割も。逃げてきてくれればいいとはっていないから」
私は子に座り直した。
画面を共し、以もらった条件をつずつ確認した。本法での準備業務から始め、渡航の就労は必な続きがってからにする。自分が担当する顧客も、そので確認した。
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会社が指定する専との相談は、翌週に入れられた。
「、私たちはミュンヘンへくの。彩乃さんは、退職のことが落ち着いてからでいい」
私はいたスーツケースを見た。
「最初は休暇としてでも、同できますか。仕事を始める期は、許や続きにわせます」
「急いで逃げる必がある?」
「ここで、待ちたくないんです」
理さんはし考えた。
滞費や保険、当面のまい、帰国が必になったの予定を確認した。勢いだけで切符を買う話にはしなかった。
私は自分の預を確かめた。彼のカードを使わなくても、暮らすだけの備えはあった。
翌の便に席が取れたと連絡が来たころ、荷物はほぼまとまっていた。
携帯話に、弁護士から確認の連絡が来た。
怜司の承認メールは保したか。退職のは文になっているか。異議を述べないという条項に、署名していないか。
私はつずつ答えた。
退職の支払いについては、財務部が事と確認するという返事が来ていた。翌朝、窓へく予定になった。
話を終えると、机にい封筒を置いた。
借りていたカードと鍵を入れた。をたあと、活必な連絡だけは弁護士を通すと、くいた。
別れを認めてほしいというは、かなかった。
私がここで暮らすことをやめるのに、彼の許はらなかった。
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自分のさなマンションも、荷物を理して貸す準備をしていた。以、数だけ戻っていたころとは違う。今回は、そこへ戻って待つつもりもなかった。
夜、蔵庫をけた。
をるに、仕事の帳を読み返した。引継ぎの連絡先も、完した作業もいてあった。帰ってきて机に座らなければわからない仕事を、わざと残すことはしなかった。
辞めると決めたあとまで、自分の仕事を投げしただとはわれたくなかった。
怜司が帰ったらべるとって作ったものが残っていた。私はラベルの付を確認し、処分した。
洗った容器を伏せ、台所の気を消した。
寝では、スーツケースの蓋がまだいていた。
最に携帯話の充器を入れた。ファスナーを閉めると、いつもよりきな音がした。
5分が、このに収まってしまった。
それを寂しくう気持ちはあった。けれど、荷物を元に戻そうとはわなかった。
翌朝着るを子に掛け、アラームを設定した。
眠りは浅かった。それでも、曜の予定を考えて眠れなくなる夜とは、もう違っていた。