"5年付き合った社長に退職届を出した日、私だけが知らなかったこと" 第3話
社のカードでは、払えないもの
退職規程を確認すると、勤続5の私は支対象だった。
弁護士からは、自己都退職であれば何でも補償がるわけではないが、規程に基づく退職や未払い分は別に確認する、と説された。
私は聞いたことをメモした。
午、真由に呼び止められた。
「あの類、まだ?」
「弁護士に確認しています」
彼女の笑みが消えた。
「そんなに欲しいの、あの程度のおが」
「私が働いたことについての話です」
真由はスマートフォンを見せた。価なバッグの写真だった。
「あなたの退職くらいなら、これを買って終わりよ。これからは会社のおも、無駄にしたくないの」
私は画面を見なかった。
「会社は、あなたの財布ではありません」
通りかかった同僚がを止めた。真由は声を落とした。
「怜司に言いつけるつもり?」
「退職の続きをめてほしいだけです」
私はをげ、廊をれた。
駐へくと、怜司のが止まっていた。
窓ががり、彼が私を見た。
「話がある。乗って」
私は会社の続きについて聞けるとい、部座席に座った。
がると、彼が尋ねた。
「なぜ、急に辞めるんだ」
「評価が5続けて最で、賞与もずっとゼロだから」
怜司は眉を寄せた。
「おのことなら、渡したカードがあるだろう」
私は窓から彼へ線を戻した。
「あなたに買ってもらう話じゃないよ」
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「評価は会社の順で決めている。私が恋だからと、をせない」
「誰が評価調に参加しているか、確認したことはある?」
「結果が悪いと、のせいにするのはよくない」
私は黙った。
彼は自分の言葉が、私を落ち着かせたとったらしい。
「曜まで待って。きちんと話すつもりでいる」
「曜には、かない」
彼が体をこちらへ向けた。
「彩乃」
私の名が、叱るときの声になった。
「真由さん、婚したそうだね」
「それが何の関係がある」
「彼女は、あなたと結婚するつもりみたい」
怜司はため息をついた。
「私は、あのと結婚する気はない。曜に会ってほしいのは、彩乃だ」
以なら、その言で救われた気になっただろう。
けれど、今は違った。
真由を好きでなくても、私の仕事を見ようとしなかったことは変わらない。
私は指先を膝に置いた。
「辞めたい理由は、それだけじゃない」
「だったら、何だ」
言いかけて、2のことをいした。
会社の懇親会で、彼は私を置いて帰った。何もらないふりをして次会まで残り、ようやく話をすると、先に休んでいると言われた。
あとで、私たちはわないのかもしれないと話した。
彼は聞き返した。
「私たち、別れ話が必な関係なの?」
私は、その言葉を忘れたふりで暮らしてきた。
「まず、退職の続きをめてほしい」
が信号で止まった。
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「引継ぎ資料は作ってある。残りは休暇を使いたい。会社がするなら、退職もめたい」
怜司は私を見た。
「結婚したら、仕事をやめるつもり?」
「今の会社は、辞める」
結婚するとは言わなかった。
彼はし考え、頷いた。
「所属と事に伝える。退職も規程どおり処理させる」
私はそので、決まった内容をメールにいた。
「これでっているなら、返事をください」
彼は画面を見て、い承認の返信をした。
私は礼を言った。
のでりると、彼が窓から声を掛けた。
そのに、携帯話へ財務部からの返信が来た。必な確認をしたうえで精算するという、事務な文章だった。
私は添付された続きの案内を保した。
彼の隣で待つより、こうして担当者と話すほうが、何をすればいいのかが見えた。
「今から張だ。曜までには戻る。待っていて」
私はバッグを肩に掛けた。
「気をつけて」
待つとは、言わなかった。