"5年付き合った社長に退職届を出した日、私だけが知らなかったこと" 第1話
私だけ、らなかった
賞与の通は、午3に届いた。
〈評価区分:D〉
〈支額:0円〉
私は画面を閉じた。5目だった。も、昨も、そのも同じだった。
隣の席では、同僚が旅の予約をしていた。別のは宅ローンの話をしている。私も聞かれたら、なかったですと笑うつもりだった。
社の相原怜司と付きっているから、会社に置いてもらっている。そうわれるのが嫌で、仕事だけは誰にも文句を言わせたくなかった。
顧客の資料を作り直し、部の調をし、急な修正にも対応した。取引先から礼を言われても、評価は変わらなかった。
司に尋ねると、数字にない部分がりないと言われた。
何がりないのかを聞いても、次度に期待していると返されるだけだった。
それでも、私の側に改善できることがあるのだとっていた。
退勤、スマートフォンに匿名投稿の通がた。
最初は誰かの噂話だとった。けれど、部署異の期、仕事内容、社との交際期まで、私のことと致していた。
投稿を辿る指が止まらなくなった。
〈の部署で評価をげられ続けて、社に異を頼んだらしい。でも、事部が評価調の会議でをして、移ったあとも変わらない〉
事部の桐島真由は、怜司の幼なじみだった。
私が仕事を教えたこともある。
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そのの見で、今も評価が決められている。
匿名のき込みをすべて事実だとはわなかった。それでも、会社でじていた違に、初めて形が与えられた気がした。
顔をげると、同僚が目を逸らした。
その線を追いかける気力はなかった。
〈そこまでされて、どうして辞めないんだろう〉
誰かがそうくと、別の返事がついた。
〈来週、社がプロポーズするらしいよ〉
私は息を止めた。
来週の曜は、怜司とりって5になるだった。
昼休みに話があり、そのを空けておくように言われた。どこへくのか聞いても、まだ言えないと答えた。
私は予定表を確認し、仕事が引かないよう段取りを考えた。そうしているも、元が緩むのを止められなかった。
画面には、続きがあった。
〈幼なじみは既婚者だから、結婚できないんじゃないの〉
〈本が言ってた。社は自分以なら誰と結婚しても同じだって。あの子なら、呼べば来るし、何も求しないから楽なんだって〉
私はスマートフォンを机に伏せた。
度伏せたのに、またに取った。読み違いではないかとったからだった。
同じ言葉が、そこにあった。
5、交際を隠してきた。
仕事と私活を混同されたくないと言う怜司に、私も賛成した。廊ですれ違っても会釈だけをし、緒に会社をることはなかった。
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っているたちは、その私を見て何をっていたのだろう。
話が鳴った。怜司の名がていた。
私は数秒待ってから応答した。
「曜、予定は入れていないな」
「……うん」
「迎えをす。詳しいことは、あとで話す」
私は何も聞かなかった。
「聞こえてる?」
「聞こえてる」
用が済むと、彼は話を切った。
私は机ののカレンダーを見た。曜に、さな印をつけてあった。
ついさっきまで待ちしかったが、急にくなった。
結婚すれば、今までのことも報われるとっていた。堂々と隣にてれば、もう傷つくことはないのだと。
けれど、評価のことを話したとき、彼は度も資料を見ようとしなかった。
私が困っていることを、今まで何度もっていたはずだった。
私は投稿の画面を保した。通メールも、自分の記録として残した。
それから、会社の退職続きを調べた。
曜の予定を消すより先に、こちらを確認したかった。