"「産めない」と婚約破棄された私が、52歳の夫の双子を授かったら" 第10話
お父さんのが震えていた
破したのは、け方だった。
私は寝から病院へ話し、症状を伝えた。来るように言われ、浩さんを起こした。
彼はね起き、着を取って玄関へった。
「鍵がない」
物音で起きた美咲さんが、彼の元を見た。
「お父さん、まず靴。、違う」
彼は片方の革靴を脱いだ。
「鍵は?」
「着のポケット。さっき入れてたよ」
結局、運転したのは美咲さんだった。
浩さんは部座席で私を支え、何度も丈夫と言った。
痛みのに、私は彼を見た。
「し、静かにしてください」
「うん」
10秒ほどして、また聞かれた。
「痛い?」
「浩さん」
「ごめん。黙る」
の席から、美咲さんが順を確認した。私は頷き、シートの端を握った。
病院では診察のあと、赤ちゃんたちの状態と位置を確認し、帝王切で産することになった。
説を聞きながら、浩さんは頷いていた。私のを取ると、その指が震えていた。
「待ってるから」
私は握り返した。
術へ入ってからのことは、ところどころしか覚えていない。声を掛けられるたびに答え、赤ちゃんの声が聞こえると、顔を見ようとした。
いる。さな体を順番に見せてもらい、私はようやく、そのことを確かめた。
病で浩さんと会うと、目が赤かった。
「泣いたんですか」
「しだけ」
美咲さんが横から言った。
「しじゃなかった。
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子からてなくなったんだよ」
彼は娘を見たが、言い返さなかった。
息子は2500グラムほど、娘は2300グラムほどだった。それぞれの状態について説を受け、私は何度も確認した。
浩さんはの顔を見て、また目元を押さえた。
「紗季に似てる」
「まだ、わからないでしょう」
美咲さんが覗き込んだ。
私はさく笑い、傷に響いてお腹を押さえた。
「じゃあ、お父さん似?」
「やっぱり、紗季さんかも」
浩さんが、今度は声をして笑った。
退院してからは、笑ってばかりもいられなかった。
傷が痛み、子どもたちは交代で起きた。母が来てくれても、の終わりには何をべたかいせないことがあった。
美咲さんは、仕事へ戻るまで洗濯や事の支度を伝った。抱っこは最初、ひどく慎だった。
「首、これで丈夫ですか」
私が位置を直すと、彼女はそのままかなくなった。
「息はしていいですよ」
そう言うと、ようやく笑った。
し落ち着いたころ、私は棚から検査の封筒をした。
浩さんがそれを見て、私の隣に座った。
「本当に、受ける?」
「受けます。に話したとおり」
美咲さんを呼ぶと、彼女は封筒を見て顔を伏せた。
「もう、疑っていません」
「うん。でも、私は話を終わらせたいです」
彼女は膝のでを組んだ。
「私が言いしたのに、今になってやめてほしいと言うのも、違いますよね」
私は頷いた。
「これを最にしたいんです」
浩さんも同し、私たちは説を聞き直して、続きをめた。子どもたちと夫の検体を、案内された方法で提した。
結果を待つも、暮らしは止まらなかった。
ミルクを作り、おむつを替え、濡れたを洗った。誰かがし眠れば、別の誰かが赤ちゃんを抱いた。
届いた報告をいたのは、子どもたちがとも眠った午だった。
私は浩さんと並んで座り、ずつの結果を確認した。
とも、夫との親子関係を支持する内容だった。
浩さんは笑わなかった。私の肩にを置き、静かに謝った。
「こんなことをさせて、ごめん」
私は封筒を膝に置いた。
廊で待っていた美咲さんが、扉を叩いた。