"「産めない」と婚約破棄された私が、52歳の夫の双子を授かったら" 第9話
嬉しいだけでは、眠れない
妊娠7かの健診で、赤ちゃんの性別をりたいかと聞かれた。
で頷くと、医師は画像を確認してから、男の子と女の子のようだと説した。まれるまでは確定ではないとも言ったが、浩さんはそこからずっと笑っていた。
「男の子と、女の子」
駐でも、同じことを言った。
「聞こえましたよ」
私が返すと、彼はの鍵をした。
「そうだね。でも、もう度言いたくなる」
私は助席に座り、シートベルトを調した。
お腹がきくなるにつれて、嬉しいこととつらいことが、同じに起きるようになった。
がむくみ、靴がきつくなった。横になると息苦しいことがあり、寝返りを打つだけでも目が覚めた。
仕事は会社と相談し、負担を減らしてもらった。それでも帰宅すると、まず座りたかった。
浩さんは事を引き受けたが、何でもにできるわけではなかった。洗濯物の肩が裏返ったまま干されていて、直そうとすると彼が先に取った。
「座ってて。言ってくれれば直すから」
私はソファから、次は袖も伸ばしてほしいと言った。
ある夜、がつって起きた。治まっても寝つけず、クッションの位置を変え、何度も横になり直した。
そのうち、涙がた。
浩さんが起きがった。
「痛い? 病院に話しようか」
「違います。もう、何をしても楽にならなくて」
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私は背を起こした。
「つらいって言うのも、悪い気がするんです。あんなにんだのに」
彼は枕を持ち、私の背へ入れた。
「んでいても、つらいものはつらいでしょう」
私は泣いたまま頷いた。
彼は話を元に置き、症状が続くなら相談しようと言った。をむと、し落ち着いた。
「結婚するとき、本当に子どもは望んでいなかったんですか」
浩さんが私を見た。
「今、それが気になる?」
「し」
彼はベッドの端に座った。
「若いころは、欲しかった。でも、美咲が来てくれたから。育てるだけで、毎いっぱいだったよ」
「私が検査の話をしたときは?」
「次も会えるかなとっていた。子どもの話より、そこが気になっていた」
私は顔をげた。
彼が照れたように笑った。
「最初の、帰りたそうだったでしょう」
「娘さんが反対していると聞いたので」
「うん。だから、駄目かとった」
私は涙を拭いた。
「今は、嬉しいですか」
「嬉しいよ。怖くもあるけど」
彼がそっとお腹に触れた。ちょうど内側でき、驚いてを引いた。
私は笑った。
「また、びっくりしてる」
「慣れないね」
私たちは、しばらくお腹を見ていた。
翌、美咲さんから話が来た。性別の話を聞くと、瞬黙り、それからのサイズを尋ねた。
「まだ買わなくていいですよ。どのくらいでまれるかも、わからないから」
「見るだけです」
その返事に、私はし笑った。
彼女は産がづいたら休暇を取って帰国すると言った。浩さんとだけで丈夫だろうかと、気になっているらしかった。
「お父さん、慌てると何も見えなくなるから」
「私も、そういます」
「でしょう」
話を切ったあと、私は浩さんを見た。
彼は赤ちゃんのを広げ、何をどこへしまうか考えていた。
「美咲、何か言ってた?」
「頼りにしているって」
彼が顔をげたので、私は続けた。
「あなたじゃなくて、美咲さんを」
浩さんは瞬黙り、それから笑った。
数週、彼女が帰ってきた。
玄関には、またあのスーツケースが置かれた。今度は私が挨拶をするに、美咲さんのほうからをげた。
「お世話になります」
私は横へよけ、のへ招いた。