"23年尽くした妻の追放✕四十九日の愛人親子" 第8話
私の240万円が振り込まれるの週……毎晩のように、消費者融や、らない個名のアカウントに、泣きつくみたいに話をかけまくってた」
夕が濃くなる駐の隅で、理恵のえ切った声が落ちた。
「あの、私の240万を受け取るから……もう何百万円も、首が回らない状態だったのよ」
理恵が再びあのの敷居を跨いだのは、私をスーパーの駐輪で待ち伏せした、翌のことだった。
目は、ただつ。 階の部に残してきた、悠斗の学の教科と、まだしいランドセルを引き取ることだけだった。
インターホンを何度鳴らしても応答がなく、鍵をけてに入ると、居には誰もいなかった。 シンクには数のプラスチック容器が放置され、饐えたような臭いが玄関まで漂っている。
悠斗は母親のコートの裾をさなで固く握りしめたまま、おどおどと辺りを見回していた。
「ママ、おじちゃんもおばあちゃんも、いないの……?」
「いいから、く荷物を取ってましょう」
理恵は息子のを引き、軋む階段をがった。
階の奥、向きの畳。 の夜、夫が「ここがしい悠斗の部だ」と胸を張って指差した、あの部の引き戸をけた。
その瞬、理恵のが止まった。
部の央にあったはずの、真しい学習机が消えていた。 代わりに置かれていたのは、埃をかぶった何箱もの段ボールと、義父が昔使っていた古いゴルフバッグ、そして破れた障子の残骸だった。
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部は、数までの暗い納戸に、そっくりそのまま戻っていた。
悠斗が、ぽつんとち尽くした。 ランドセルを置くはずだったの隅を見つめ、きな瞳にじわりと涙を溜める。
「……ママ、おじちゃん、ここは僕の部だって言ってたよね?」
震える子どもの声が、え切った部に落ちた。
「ぼくの机、どこっちゃったの? ずっとここにいていいって、約束してくれたのに……」
理恵は喉の奥が引き攣るのをじながら、息子の肩を抱き寄せた。 何と言えばいいのか、言葉が見つからなかった。 の醜い打算を、歳の子どもにどう説しろというのか。
「……ごめんね、悠斗。ちょっと、予定が変わったの」
「でもね、ママ」
悠斗は涙を拭おうともせず、母親の顔をじっと見げた。
「おじちゃん、昨の夜、ばあばと廊で喧嘩してたとき言ってたよ」
理恵の背筋を、たいものが駆け抜けた。
「……なんて?」
「『のことさえ片付けば、あいつらをずっとここに置くわけねえだろ』って。おじちゃん、すっごく怖い顔して言ってた。ばあばも『子供の音がうるさいからくして』って……ぼく、聞き違いだった?」
息が、止まった。
血の気が気に引き、指先の覚が麻痺していく。
のことさえ片付けば。 ずっとここに置くわけがない。
ので、これまで夫が並べてきた言葉の数々が、パズルのピースのように噛みっていった。
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「来には籍を入れよう」と言いながら、具体な取りを度も決めようとしなかったこと。 「親父の遺産だからは俺のものだ」と豪語しながら、権利関係の類を頑頑に見せようとしなかったこと。 そして、240万円ものを受け取っておきながら、リフォームの契約はおろか、見積の枚すら渡してこなかったこと。
すべてが、最初から仕組まれていた。
夫は、理恵と再婚する気など最初からなかったのだ。 ただ、喉からがるほど欲しかった240万円を奪い取るための、甘い餌として「母子のためのしい」をぶらげただけ。
さえに入れば、あとは「母と折りいが悪い」「子どもの声がうるさい」と適当な理由をつけて追いす。 23、庭を支え続けた私を平然と使い捨てた男が、別の女に対して誠実であるはずがなかった。
階段のから、い音が聞こえた。 仕事から戻ってきた夫が、階を見げて怪訝そうに眉を寄せた。
「おい、理恵。勝にがり込んで何してんだよ」
理恵は悠斗のランドセルを引っ掴み、階段を駆けりた。 にち、靴を履き替えようとする夫のに仁王ちした。
「健司さん。240万、今すぐ全額返しなさい」
理恵の声は、りでく震えていた。
「子供部の事なんて、最初からする気なかったんでしょ。