"23年尽くした妻の追放✕四十九日の愛人親子" 第6話
預の部分である240万円を夫に渡してしまった今、きが取れなくなっていた。
「健司さん、追加のおなんて円もせない。それより、あの240万円がどこにあるのか証して。できないなら、今すぐ全額返して」
話でそう告げた理恵に対し、夫は「あれは活のための準備費用として預かったものだ、今さら返せるわけがない」の点張りだった。
事態が決定に破綻したのは、その翌の午だった。
理恵が、残してきた悠斗のを回収するためにを訪れたときのことだ。 玄関をけるなり、待ち構えていた義母の子が、鬼のような形相でちはだかった。
「あんた! どの面げてがってきやがったの!」
子の切り声が、玄関ホールに霊した。
「健司から聞いたわよ! 結婚するからお、おって騒ぎてて、男を困らせるようなあくどい女! 健司を支える気がないなら、さっさと荷物まとめて消え失せなさい!」
理恵の背筋が、すっとたくなった。 だが、理恵は引きがらなかった。 シングルマザーとして、理尽な世をで渡ってきた女だ。 ここで怯めば、息子の未来のために貯めてきた240万円がと消える。
「支える? 誰が誰を支えるんですか?」
理恵は靴を脱ぐこともせず、に仁王ちした。
「悠斗に自分の部ができるって言ったから、私はここに来たんですよ。
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お父さんの遺産でこのを継ぐから、私たちがむ所には困らないって、そう言ったのは誰ですか?」
「そんなの、約束じゃないの! 世話の冗談に決まってるでしょ!」
子が唾をばして言い返す。
理恵は無言でバッグからスマートフォンを取りし、LINEのトーク画面をいて子の目のに突きつけた。
そこには、義父がくなってわずか週、子から理恵宛てに送られたメッセージがはっきりと残されていた。
『理恵さん、悠斗ちゃんを連れてくうちにいらっしゃい。あんな気な嫁は追いして、これからは私たちが本当の族になるんだから。悠斗ちゃんも、もう狭い賃貸で肩の狭いいをしなくていいのよ。この広いで、のびのび暮らせばいいんだからね』
「……っ」
子の顔から、さっと血の気が引いた。
「これ、お義母さんが送ってきた文章ですよね? これを見て、私は健司さんを信用したの。それなのに、登記も済んでない、事も始まらない。これのどこが冗談なんですか?」
「そ、それは……ただの親切で言っただけで……!」
「親切? じゃあ、あの40万円も親切ですか?」
子の喉が、ひくりと鳴った。
「……え?」
「健司さんに渡した240万のうち、40万円。健司さんが『お袋にの修繕雑費として預けた』って言ってましたけど。まさか、お義母さん、受け取ってないとは言わせませんよね?」
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子の顔が、青を通り越して気に変わった。
「な……な、何言ってるのよ……あれは……」
子のが、刻みに震え始めた。 先週、健司が子に渡した、分い封筒。 『母さん、親父の法やら何やらで物入りだったろ。これ、俺が面したの予備費だから、好きに使っていいよ』 そう言われて受け取り、自分のタンスの引きしに隠した、あの40万円。
子は、健司が自分ので親孝をしてくれたのだとい込んでいた。 まさかそれが、この女から騙し取ったの部だったとは、にもっていなかったのだ。
音がして、仕事から帰ってきた健司が玄関に入ってきた。 の険悪な空気を見て、健司は舌打ちをした。
「なんだよ、また揉めてんのか」
子が、震える指で息子を指差した。
「健、健司……! あんた、あの40万円、こののだったの!? 私、の積だって聞いてたわよ!」
健司は瞬だけ揺を見せたが、すぐにき直ったように笑を浮かべた。
「何言ってんだよ、母さん。受け取ったのはあんただろ。今さら被害者面してんじゃねえよ」
「な……!」
「あんただって『健司は頼りになる』ってんで懐に入れたじゃないか。俺たち族の活費に使ったんだ。この女だってここにむつもりだったんだから、文句言われる筋いはねえよ」
子はをパクパクとかしたまま、へたり込むように廊にをついた。
息子を溺し、男だからと甘やかし続けてきた。