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"23年尽くした妻の追放✕四十九日の愛人親子" 第4話

「これ、の奥さんが活費を切り詰めるために断った排管のじゃない。健司さん、私の240万円、どこにったの?」

理恵のが、りでわずかに震えていた。 彼女は決して愚かな女ではない。 健司の甘い言葉に乗り、く息子に定した庭を与えたいという焦りから目を眩ませていただけだ。 だが、度疑のスイッチが入れば、目ののが次々と浮き彫りになっていく。

「見せてよ」

理恵が言った。

「このの、登記事項証」

健司の顔が変わった。

「は? なんでそんなもん見せなきゃいけないんだよ」

「私の240万を注ぎ込むよ。本当にあなた名義になってるのか、確認する権利くらいあるでしょ。お父さんがくなったんだから、当然あなたが相続したのよね?」

「あ、当たりだろ! 俺は男なんだぞ! 親父がんだら、もも男の俺が継ぐに決まってるだろうが!」

健司は虚勢を張って鳴った。 しかし、その横で、子は絶対に理恵と目をわせようとしなかった。 元を固く結び、え切った湯呑みを握りしめたまま、微だにしない。

法からまだ。 遺産分割協議すら始まっておらず、相続登記など完しているはずがないのだ。 義父名義のまま凍りついた産。 それを、男というだけで「自分のものだ」と言い張り、女からを巻きげる実に使っていた。

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理恵は、それ以健司を問い詰めなかった。 ただ、静かにちがり、泣きそうな顔をしている悠斗のを引いた。

「帰るわよ、悠斗」

「おい、理恵! どこくんだよ!」

健司が引き止めようと腕を伸ばしたが、理恵はそのを鋭く払いのけた。

「荷物、からろしてないから。今夜はのアパートに戻る」

玄関へ向かう理恵の背を、子がおろおろと追いかけた。

「ちょっと、理恵さん! のゴミしはどうするのよ! 健司のワイシャツのアイロンも残ってるのに!」

その言葉に、理恵は玄関のがり框でピタリとを止めた。 振り返った彼女の目は、氷のようにたかった。

子を招きし、健司に聞こえないよう、廊のでい声を落とした。

「……お義母さん」

「な、何よ」

「あの、健司さんのものになってないですよね。だったらどうして、『おをせば悠斗の部ができる』なんて、私に嘘をついたんですか?」

子は顔を青ざめさせ、ごもった。 そして、逃げを失った獣のように、掠れた声で呟いた。

「だ、だって……私は、あの子があのおで、まず自分の借を片付けるとってたから……」

理恵の呼吸が、止まった。

「……借?」

玄関の暗い灯ので、理恵の瞳が見かれた。

「健司さんに、借があるんですか?」

スーパーの裏にある従業員通をた瞬、夕方のえ切ったが首筋を撫でた。

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タイムカードを押し、エプロンを脱いで私に着替えたばかりだった。 駐輪へ向かおうと暗いへ踏みしたところで、自販のからがぬっと現れた。

夫だった。

着崩したスーツに、くたびれたビジネスバッグ。 無精髭がわずかに伸びた顎を撫でながら、夫は私のにちふさがった。

「……恵子」

鳴り散らすわけでもなく、妙にしなだれかかるような、猫撫で声だった。 吐き気がした。 23、この男がで揉め事を起こし、私にをげさせようとするときに必ず使ってきた声だ。

「し話がある。ち話もなんだから、そこの喫茶にでも――」

「用件があるなら、ここでにお願いします。美さんのに戻らなきゃいけないので」

私のたい声に、夫の眉が瞬だけ引きつった。 だが、すぐに気を取り直したように、わざとらしくきく息を吐いた。

「おいおい、そんなに角をてるなよ。23も連れ添った夫婦だろ。最くらい、綺麗に終わらせたいじゃないか。おにも、これからの活があるだろうしな。しばかりの切れというか、活の準備くらいはしてやるつもりでいるんだ」

「切れ?」

「ああ。これを見てくれ」

夫はバッグのから、クリアファイルに入った数枚のA4用を取りした。 夜の灯の、差しされたい。

番には、『別居に伴う財産清算および確認』と印字されていた。

「これにサインと捺印をしてくれれば、俺もおのこれからの活にをさない。

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