みかん小説
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"夫の死後、最後のお別れすら奪われた私" 第7話

夫が切り盛りするさな建築物務の資繰りが苦しいと言われれば、結婚に貯めていた私の独代の定期預を取り崩して差しした。

それなのに。 「話していない」って、体何?

吐き気を堪えながら、私は喪のバッグの底くにその片を押し込んだ。 直の言った言葉が、の奥で警鐘のように鳴り響いていた。

『父は週以から入院していた』 『急なんかじゃない』

私をきりのアパートに放置したまま。 誰もが病に集まり、夫を見送り、私だけが何もらされないまま骨壺を見せられた。

その事実のみに、ち止まっている暇なんてなかった。

翌朝、私は始発のに乗った。

向かったのは、夫が息を引き取ったという内最の総医療センター。 の朝の気が、いコートを容赦なく通り抜けて肌を刺す。

受付始の午半、私は医事課の窓にった。 バッグから取りしたのは、運転免許証と、昨区役所でのために取っておいた夫の『戸籍謄本』だった。 のに刻まれた、私の名。 まだ誰にも消されていない、配偶者の証。

「佐藤健の妻です。夫の入院記録と、面会簿の示を求めます」

窓の若い女性職員が、私の顔と戸籍謄本を交互に見比べた。 端末をカタカタと叩いていた職員のが、自然に止まる。

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「……あの、佐藤様」 職員は困惑したように眉を寄せ、声を潜めた。 「申し訳ありません。佐藤健様のご族……妹様の様から、奥様には切の医療報の示をわないよう、い申し送りがされておりまして……」

「美は、ただの妹です」

私は遮った。声は震えていなかった。 自分でも驚くほど、たく乾いた声が喉からた。

「私は民法の法定配偶者です。婚姻関係は継続しており、法権利を持つ正当な遺族です。妹の個なで、妻への報示を拒否する法根拠がどこにありますか?」

職員が息を呑み、言葉を失った。

「もし病院側が妹の向を優先し、法定配偶者への示を当に拒絶されるのであれば、直ちに弁護士を通じて示請求の申をいます。個報保護法および労働省のガイドラインに反していることになりますが、院先の判断を仰がれますか?」

職員の顔から血の気が引いた。 「々、お待ちください」 で奥の部へと引っ込んでいく。

数分、配の事務らしき男性が現れ、私をさな面談へと案内した。 世体と法な責任問題。本の組織が番嫌うものを突きつければ、扉はく。 理尽な悪に耐え続けるだけのは、昨の斎で終わっていた。

差しされたのは、夫の入院診療録の約と、病棟の入退管理記録のコピーだった。

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私は震える指先で、そのをめくった。

入院:。 確認:午分。

。 本当に、まるまるあった。

そして、カルテの経過記録に並ぶ記号に目を落とした瞬、私の臓が凍りついた。

『JCS 0』『GCS 15』 識清。

救急搬送された初から、目の夕方に容態が急変するまで、夫の識は完全に正常だった。 せん妄も、認能のも認められない。 普通に会話し、普通に事をにしていた記録が、そこにはっきりと残されていた。

さらに、病棟の面会簿。

(初):佐藤直(男) (目):佐藤美穂(女) (目):美(妹)、佐藤佳代(妻) (目):美

文字が、滲んで歪んだ。

初から、目まで。 毎、誰かが病を訪れていた。 夫は喋ることができた。 をかすことができた。

「あの……奥様」 記録を持ってきた護師が、いたたまれないようにをいた。 「ご主、初の夜、何度もベッドのでスマートフォンを握りしめていらっしゃいました」

喉が張り付いて、声がない。

「何か、とても言いにくそうに……『話をかけなきゃいけないんだ』と、ずっと画面を見つめておられました。でも、妹様がいらっしゃってからは、スマートフォンを預けるように言われて……それからは、ずっと井を見つめていらっしゃいました」

夫は、話を持っていたのだ。 私の番号を押すは、何も、何もあったのだ。

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