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"妊娠十二週、民政局前の裏切り" 第11話

株価は連ストップを記録し、提携先や資者たちは潮が引くようにを引いていった。 かつて予を「子供の産めない役たず」「孤児がりの分相応な女」と罵り、酷に追いした陸の母親と父親は、巨額の負債と損害賠償の請求に追われ、広な敷を差し押さえられた。 老いた両親は、世のたい線から逃れるようにしての片隅の狭なアパートへとを寄せ、息子の遺ので互いを罵りいながら、惨めな余を送ることを余儀なくされた。 因果応報――自らの傲と欲によって者を踏みにじった者たちには、寸分の狂いもなく、相応の報いがされたのである。

そして――季節が移ろい、を吹き抜けるにの鋭さが混じり始めた頃、陸衍淮の葬儀が執りわれた。 かつての栄華をえば、それは信じがたいほどに寂しく、閑散とした密葬だった。 参列する業界関係者などもおらず、親族の数名が巻きに焼を済ませるだけの、え切った式。祭壇の央に飾られた陸衍淮の遺は、若くして成功を収め、野に満ち溢れていた頃の姿のまま、虚ろな空を見つめていた。

その葬儀の終盤、目を避けるようにして、の女性が静かに斎へとを踏み入れた。 唐予だった。 彼女は喪を纏ってはいなかった。

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につけていたのは、仕ての良いベージュのウールコートと、飾り気のないシンプルなタートルネックのニット。どこか旅先へ向かう途のような、軽やかで凛とした装いだった。 受付にいた親族たちが息を呑み、気まずそうに線を逸らす、予は躊躇うことなく祭壇のへと歩みをめた。 彼女の音だけが、静まり返った式にさく響く。

祭壇のにった予は、写真のの男を見つめた。 学代、まだ何者でもなかった頃の彼。で狭いアパートのベランダから見げた空。互いのを語りい、彼のために自分のすべてを捧げようと誓った、あの純粋だった々の記憶。 そして、裏切り、侮辱、酷な選択、そして失われたさな命。 馬灯のように駆け巡る記憶の奔流に、予の胸は静かだった。波つものは何もなく、涙の滴すら滲まない。 彼女は鞄のから、輪のを取りした。 それは、く清らかな輪のカラーだった。 華美な輪や菊の列の片隅、焼台の脇に、彼女はその輪のをそっと横たえた。

(陸衍淮……これでお別れよ)

ので、静かに呟いた。 このは、あなたを許した証ではない。あなたへのや未練の証でもない。 ただ、というきにわたり、あなたを信じ、あなたをし、そしてすべてを失いながらもき抜いた――過の自分自の愚かさと純粋さに向ける、葬送の祈りだった。

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彼のためにを削り、彼のために泣き腫らした「唐予」というの女は、あの、たいコンクリートのので彼と共にんだのだ。 今ここにっているのは、誰のでもなく、誰の所物でもない、自分自ので未来を切り拓く『Queen』――唐予そのだった。

予は遺に対してく礼することもなく、ただ静かに踵を返した。 背から、親族の誰かが何かを呼び止めようとする気配がしたが、彼女の歩みが緩むことはなかった。 斎の自扉を抜けると、にはのたく澄み切った気が満ちていた。 く息を吸い込み、吐きす。肺の隅々までき渡る涼な空気が、彼女の魂から過の澱を完全に洗い流していくようだった。 彼女のは、もはやこのの誰にも、何ものにも、囚われてはいなかった。

翌朝。 国際空港の発ロビーは、旅ちを目にした旅者たちの喧騒と、アナウンスの柔らかなチャイムの音に包まれていた。 見渡す限りのパノラマを描くガラス窓の向こうには、朝の澄んだを浴びてに輝く無数の航空が翼を休めている。平線の向こうから昇り始めた朝が、ターミナルの理のを黄に染めげていた。

搭乗ゲートへと続くロビーの央で、予はスーツケースのハンドルにを添えて佇んでいた。

その隣には、見送りに駆けつけた謝言が、温かな差しを湛えて並んでいる。

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