みかん小説
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"十八年間消えていた夫の保護者席要求" 第7話

美咲はを交えず、淡々と返した。

『質問に答えてください。この、私がまれたことをっていましたか?』

『そ、それは……! お、誤解するなよ! あのは本当に仕事の張で、たまたま取引先に誘われてスタジアムにち寄っただけで……!』

『お揃いのユニフォームを着て、の肩を抱いてビールをむのが、仕事なんですか?』

息を呑む音が、スピーカー越しに聞こえた。

『……真紀だな。真紀が吹き込んだんだろ! あいつは昔からそうやって、俺のを引っ張ることばかり考えて……!』

「お母さんは関係ありません」

美咲の声の温度が、段くなった。

「私が聞いているんです。お父さん、私のまれた、どこにいましたか?」

い沈黙が落ちた。 受話器の向こうから、浅く乱れた呼吸の音だけが聞こえてくる。 やがて、元夫はき直ったように、く掠れた声を絞りした。

『……悪かったよ。でもな、美咲、あの頃の俺はまだ若かったんだ。父親になる覚悟ができてなくて、圧から逃げしたくなったんだよ。男にはそういう期があるんだ。誰だって若い頃の過ちくらいあるだろ?』

若い頃の過ち。 圧からの逃避。

その言葉を聞いた瞬、美咲の元に、え切った笑みが浮かんだ。

「お父さん。私がまれた、あなたは何歳でしたか?」

『え……?』

「32歳ですよね」

美咲は元に置かれた名刺のに目を落とした。

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「今の私より、14歳もです。派なじゃないですか。自分の奥さんが命がけで子どもを産もうとしているに、別の女と旅にって『若かった』で済む齢じゃない」

『美咲、お……!』

「でも、いいんです。まれたのことは、私には記憶がないから。お母さんとおじいちゃんが、私を度も寂しくさせないように育ててくれたから」

美咲は呼吸置き、自分のスマートフォンの画面をスワイプした。 メールアプリの送信済みトレイ。 その奥く、古い付のメールをいた。

「お父さん。18の写真よりも、私にはどうしても許せないことがあります」

美咲の声から、震えが消えていた。

「2の。私がに格した、あなたにメールを送ったのを覚えていますか?」

話の向こうが、ピタリと静止した。

「の制採寸の帰り、私はお母さんに内緒で、昔の類に載っていたあなたのアドレスにメールを送りました」

美咲は画面に表示された文面を、語語、噛み締めるように読みげた。

『お父さん、に格しました。元気にしていますか。返事は急がなくていいです。いつか会えたらうれしいです』

私の臓が、ドクンと嫌な音をててねがった。

らなかった。 美咲が16歳の、そんなメールをあの男に送っていたなんて。 母親の私に気を遣い、誰にも言えず、1で父親へのささやかな期待を抱えていたなんて。

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美咲の瞳から、初めて筋の涙がこぼれ落ちた。 けれど、声は決して震わせなかった。

「お父さん、あのメール、読みましたよね」

受話器の向こうから、返事はなかった。

「返信、来ませんでした。1週待っても、1ヶ待っても、1待っても。私、アドレスが変わったのかなって自分を慰めてました。でもさっき、ファミレスで名刺をもらった、いてあった個のアドレス、2と同じでしたよ」

『それは……あのは……』

元夫の言い訳は、もはや言葉の体を成していなかった。

『あの期、美さんとの庭がうまくいってなくてだな……おからのメールに返信したら、また揉めるんじゃないかって……だから、落ち着いたら連絡しようとってて……』

「自分の今の庭が壊れるのが怖くて、の娘からのを無したんですね」

美咲が、容赦なく切り捨てた。

「もしあの、でもいいから『おめでとう』って返してくれていたら。私は今、あなたを笑顔で迎えていたかもしれません」

受話器の向こうで、元夫が息を詰まらせる音がした。

「でも、あなたは返さなかった。私のが邪魔だったから。厄介ごとを持ち込まれたくなかったから」

美咲はちがった。 まっすぐに背筋を伸ばし、受話器を睨みつける。

「それなのに、私が難関学に受かったとった途端、急に父親面して現れて、社内報に載せる全福を撮ろうですって?」

喉の奥から絞りすような、けれど絶対な拒絶の響き。

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