"「お前は家族じゃない」と言った夫へ" 第10話
「節子さん……これは、本当なのかい」 叔父のく沈んだ声が、義母に浴びせられた。
「そ、それは……! あ、あれはちょっとした冗談で……! をませようとしただけで……!」 義母が震える声で弁解する。
「尽くしてくれた嫁に対して、冗談で『族じゃない』と言って写真から追いすがどこにいるんだ!」
叔父がテーブルを激しく叩いた。 湯呑みがガタガタと音をててねる。
「正彦! おもだ! 妻が千百万ものを自分の親のために持ちしていたことを、本当にらなかったのか!? っていて黙っていたならの屑だ! らなかったというなら、の主としてあまりにも無能で恥らずだ!」
「お、叔父さん……俺は……」 正彦は額から滝のような汗を流し、そのに崩れ落ちるように膝をついた。
「恵子も弘もそうだ! 美智子さんが突然投げしたようなぶりで話をしてきおって! 投げしたんじゃない、このは、おたち実の子が背負うべき荷を、たったで背負い続けてくれていたんじゃないか!」
叔父の号が部に響き渡る、弘と恵子は顔を真っ赤にして俯き、指本かせなくなっていた。 周囲の親戚たちも、もはや私を非難する目を向ける者はいなかった。 向けられていたのは、佐藤の親子に対する、底れない軽蔑と憐憫の線だった。
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そのの法は、佐藤にとって完全な公処刑となった。
正彦は叔父たちから散々説教され、親戚から「恥をれ」となじられ、言も反論できずにさく丸まっていた。
法からの夕方。
私の携帯に、義母から着信が入った。 普段なら決して自分から私に話などかけてこないだ。
指定されたのは、所の落ち着いた喫茶だった。 子の義母を、誰が連れてきたのかとえば、所の福祉償運送を使ってでやってきたらしかった。
奥の席に座る義母は、かつての威圧な面はなく、さく縮こまっていた。 テーブルののホットミルクに、もつけずに私を待っていた。
「……美智子さん、来てくれたのね」
義母は掠れた声で言った。 私が向かいの席に腰をろすと、義母は両をテーブルのでね、縋るような目で見つめてきた。
「美智子さん。先のことは、私が悪かったわ。……親戚ので、あなたに恥をかかせるような形になってしまって、本当に申し訳なかったとっているの」
あのプライドのい義母が、をげた。 で、初めて見る景だった。
「だからね、美智子さん。元の活に戻してくれないかしら。……正彦は男だから、オムツの替え方も乱暴だし、ご飯もコンビニの固いものばかりで喉を通らないのよ。あの理学療法士の先にも、もう度来てもらえるように、あなたが配してちょうだい。
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ほら、私たちはも緒に暮らしてきた仲じゃないの」
私は、運ばれてきたアイスティーを静かに見つめた。 氷がカランと音をてて溶ける。
「お義母さん」 私は顔をげた。
「あの、伊豆の旅館で。なぜ私を写真に入れなかったのですか」
義母の言葉が詰まった。 線が泳ぎ、カップの縁を見つめる。
「……だから、言ったでしょう。あれは本当に、そののいつきというか、いはなかったのよ。ついが滑ってしまっただけで……」
「つい、が滑った」 私は静かに繰り返した。
「ええ、そうかもしれませんね。お義母さんにとっては、たった言の軽だったのかもしれません。……でもね、正彦さんが私にスマホを渡した瞬、私は見えたんです」
私の胸の奥に、あのの景が鮮に蘇る。
「屏のに並んだ皆さんが、あまりにも自然に、誰ひとりとして私を気にかけることなく笑いっていました。『りない』と振り返るは、誰もいなかった」
義母の喉が、ヒュッと鳴った。
「あれは、お義母さんの本音だっただけではなく、佐藤という族全員の『無識の』だったんです。私はあの族の輪のに、最初からしていなかった。ただの便利な具として、側に置かれていただけだったんです」
義母の目が揺れた。 焦りと、恐怖がその瞳に浮かんでいた。
私がもう、これまでの「従順な嫁」には度と戻らないことを、ようやく本能で悟ったのだろう。