みかん小説
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"「お前は家族じゃない」と言った夫へ" 第9話

「恩らずにも程がある」 ひそひそとした囁き声が、部の隅々から聞こえてくる。

義母が々しい声でを挟んだ。 「昭さん……私が至らないばかりに、美智子さんに嫌われてしまったようで……。も緒に暮らしてきたのに、まさかこんな仕打ちを受けるなんて……」 完璧な被害者の演技だった。

正彦もここぞとばかりににみた。 「叔父さん、聞いてください。美智子はずっと母さんの介護サービスに使っていたおを急に止め、請求を俺に押し付けたんです。今や親の命よりもが事だとき直っているんですよ!」

叔父の眉の皺がくなる。 「美智子さん。もこのに尽くしてくれた君が、なぜ急にそんな無責任なことをするんだ? 何か言い分はあるのかね」

私は座布団からちがらなかった。 背筋をピンと伸ばし、正座のままく礼した。

「言い分というより、客観な事実をご説させていただきます」

私は喪のバッグから、冊のファイルをテーブルのに置いた。 伊豆の旅の翌から、政士と相談して作成していた『介護負担実績および契約変更に関する経緯説』だ。 部コピーして、親族ひとりのに配った。

「これは何だ?」 叔父が審そうにページをめくる。

「過、私が個に支払ってきた義母の民介護・自費リハビリ費用の領収控え、およびの入細です」

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私の声は、静かに、けれど法事会館の広いの隅々まで澄み渡るように響いた。

「義母の向により、公介護保険の枠で利用していた個別理学療法士、専属ヘルパーの乗せ費用は、毎万円から万円にのぼります。で約百万円。の累計で、千百万円を超えています」

部の空気が、ピシリと凍りついた。 ページをめくっていた親戚たちのが止まる。

「に、千百万……!?」 叔父の目が剥かれた。

「はい。その全額を、私の独代の貯と、くなった私の実父からの遺産から補填してまいりました。正彦さんからも、弘さんからも、恵子さんからも、度として費用の分担をいただいたことはございません」

「お、おい美智子! 何を勝な嘘を!」 正彦が慌てて割って入ろうとしたが、私はややかに遮った。

「嘘ではありません。領収の宛名、振込元の座番号、すべて記載されています。税理士の確認印も受けております。また、先私が解約した民サービスは、あくまで『全額自費の乗せ部分』です。公保険で受けられる正当な訪問介護やデイサービスの続きは、すべてケアマネジャーを通じて継続の配を完させております。『見捨てた』のではなく、法義務のない嫁の個支援を終し、本来の扶養義務者であるの実子へお戻ししただけです」

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「な……っ」 正彦が言葉を失い、青ざめた。

「ちょっと待ちなさいよ!」 恵子がヒステリックに叫んだ。 「いくらおをしてたからって、族じゃない! 族なら助けうのが当たりでしょうが!」

私は恵子の方をゆっくりと向き直った。

「族、ですか?」

私は線を、子ので縮こまっている義母へと移した。

「先の伊豆旅でのことです。義母の米寿の祝いに、親族同で記写真を撮ろうといたしました。私がカメラの列に入ろうとした瞬、お義母様は満面の笑みでこう仰いました」

私は呼吸置き、その言葉を、文字ずつ噛みしめるように放った。

『あなたは入らなくていいわ。族じゃないんだから』

控のが、を打ったように静まり返った。 エアコンの微かな作音だけが響く。

義母の顔から、さっと血の気が引いていくのが見えた。

「そして正彦さんは、私にスマートフォンを押し付けました。『く撮れよ』と。弘さんも、恵子さんも、誰ひとりとして私を呼び止める方はいらっしゃいませんでした」

私は叔父の目をまっすぐに見つめた。

「、私はこので何だったのでしょうか。の世話をし、事を作り、数千万円のを無され、いざ族写真を撮る段になれば『族じゃないからでシャッターを押せ』と排除される。……それが、佐藤の仰る『族』の定義なのでしょうか」

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